扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~ 2018年 全66話 原題:扶揺
第53話の見どころ
雅蘭珠と戦北野の恋がついに実を結び、長く続いたすれ違いに感動の決着が訪れます。一方、長孫無極と扶揺は五洲全体を揺るがす異変の真相を探るため璇璣へ向かい、新章が本格的に始動。扶揺の出生の秘密を示す手がかりや、穹蒼から長孫無極へ下される過酷な使命も明らかとなり、愛と宿命の狭間で揺れる二人の運命はさらに過酷さを増していきます。新たな舞台で物語が大きく動き出す重要な一話です。
第53話あらすじ
雷動から「盲目のお前では戦北野にふさわしくない」と厳しい言葉を浴びせられた雅蘭珠は、大きな衝撃を受けます。しかし彼女は、自分は命を懸けて戦北野を支え、彼が望む未来を共に築く覚悟があると真っすぐな想いを語ります。ただ、自分の失明が戦北野の重荷になることだけは望んでおらず、だからこそ彼のもとを離れようとしていると涙ながらに打ち明けます。
その想いを陰で聞いていた戦北野は、たまらず姿を現し、雅蘭珠を強く抱き締めます。そして自分が本当に愛しているのは扶揺ではなく雅蘭珠だと告白し、彼女の胸に自らの鼓動を伝えながら、妻として迎えたい相手はただ一人、雅蘭珠だけだと誓います。ようやく互いの気持ちが通じ合った二人は熱い口づけを交わし、長く続いたすれ違いに終止符を打つのでした。
二人を見届けた雷動も素直になれないながら祝福の気持ちを示し、別れ際に自らの内力の一部を雅蘭珠へ授けます。その力によって雅蘭珠は失っていた視力を取り戻し、再び戦北野の姿をその目で見ることができるようになります。涙ながらに喜ぶ雅蘭珠と戦北野は雷動へ深く感謝し、雷動も照れ隠しをしながら二人を送り出します。
その頃、長孫無極は璇璣から届いた密報を分析していました。五洲共通の貨幣を支える鸑鷟淵の溶岩瀑布が枯れ始め、さらに璇璣女王が重病に陥っているという異変が判明します。五洲全体の均衡を揺るがしかねない事態を重く見た長孫無極は、扶揺とともに璇璣へ向かう決意を固めます。
王宮へ戻った戦北野と雅蘭珠は、男装した扶揺と長孫無極から事情を聞きます。戦北野は天煞王として全面的な協力を約束しますが、扶揺まで危険な璇璣へ向かうことを案じます。しかし長孫無極は、扶揺自身が選んだ道を尊重し、どんな困難も共に乗り越える覚悟だと静かに語ります。
璇璣へ到着した二人は、鸑鷟淵の異変が事実であることを知ります。しかも王室直属の紫披風が鋳造職人たちを次々と拘束しており、国の秘密を隠そうとしている様子でした。王宮では何者かが権力を握り、女王は実質的に自由を失っているのではないかと二人は推測します。
扶揺は密書に描かれた鳳凰の紋章と町中の紋様を目にした瞬間、幼い頃の断片的な記憶がよみがえり、自らの出生が璇璣と深く結び付いている可能性を感じ始めます。その直後、紫披風に追われた扶揺は璇璣第一王女・鳳浄執と剣を交えます。勝負は扶揺の勝利に終わり、男装した扶揺に触れられた鳳浄執は、相手を男性と思い込んだまま不思議な感情を抱くのでした。
一方、長孫無極の体には穹蒼からの罰が容赦なく降り続いていました。扶揺は彼の乱れた気息に気付き、自らの内力を注いで治療を試みます。しかしその最中、鳳浄執率いる紫披風が李家を襲撃し、一家を皆殺しにしたうえで扶揺たちにも迫ります。
さらに穹蒼では師・天機が長孫無極の修行の証である六塵花を再び摘み取り、「五色石の少女が封印を解けば妖女となり五洲を滅ぼす」と告げます。そして五洲を救うためには扶揺を討つしかないという残酷な使命を改めて命じ、長孫無極を宿命の選択へと追い詰めるのでした。
第54話の見どころ
扶揺が命懸けで紫披風と戦い抜く壮絶なアクションと、救えなかった命への深い自責の念が胸を打つ一話です。璇璣王宮では女王暗殺疑惑や王位継承を巡る陰謀が次々と浮かび上がり、扶揺の失われた幼少期の記憶も動き始めます。さらに鳳浄執が長孫無極との政略結婚を望み、男装中の扶揺に恋心まで抱き始めるという意外な展開も。王宮に隠された秘密と複雑な人間関係が絡み合い、璇璣編がさらに深みを増していきます。
第54話あらすじ
鳳浄執は李家に残る生存者を一人も逃さぬよう紫披風へ命令を下し、自らはその場を後にします。残された紫披風は、婚礼の日を迎えたばかりの新郎新婦を引きずり出し、新郎を無残に殺害すると、今度は新婦までも辱めようとします。
その騒ぎは療養中の扶揺にも届き、心を乱された彼女と長孫無極は真気の運行が乱れて深手を負ってしまいます。絶体絶命の中、扶揺は秘薬を思い出します。その薬は一時的に功力を飛躍的に高める代わりに、以後三十日間は武功を使えなくなる危険な代物でした。それでも人々を救うため、扶揺は迷わず服用を決意。長孫無極への治療を終えると白衣のまま庭へ飛び出し、紫披風を次々と討ち倒していきます。
しかし救い出した新婦は、家族を失った悲しみから扶揺を激しく責め立てます。恩人として迎え入れた自分たちを見殺しにしたと涙ながらに叫び、そのまま息絶えてしまいます。目の前で救えなかった命を前に、扶揺は深い自責の念に駆られ、自ら命を絶とうとしますが、長孫無極が間一髪で制止します。
激しい雨の中、扶揺は悲しみをぶつけるように泣き崩れます。長孫無極は優しく抱き寄せ、「私たちはできる限りのことをした。この悲劇の責任は君ではない」と静かに言葉をかけ、傷ついた扶揺の心を支えるのでした。
翌朝、二人は山中の洞窟で目を覚まします。扶揺はなおも昨夜の出来事を忘れられず涙を流しますが、長孫無極は璇璣で起きている異変の真相を突き止めることこそ犠牲者への報いになると励まし、王宮へ向かいます。
王宮では鳳浄執が長孫無極を正式な賓客として迎え入れ、男装した扶揺は名医・宗越として女王・鳳璇の診察を任されます。診察の結果、女王は重い毒に侵されていることを見抜いた扶揺は解毒薬を差し出しますが、女王は毒見役として側近・唐易中に薬を飲ませます。唐易中は一度倒れたため場は騒然となりますが、やがて何事もなく起き上がり、薬の安全性が証明されます。実は唐易中は扶揺の正体に気付いていましたが、その場では黙って見逃しました。
解毒薬が効果を示したことで女王は扶揺を信頼し、王宮内を自由に歩ける特別な令牌を授けます。宮中を歩く扶揺は、幼い男女が遊ぶ不思議な情景を断片的に思い出し、この王宮に自分がかつて暮らしていたような懐かしさを覚えます。
一方、長孫無極は鳳浄執から、王位継承者となった姉妹以外は命を落とすという璇璣王家の過酷なしきたりや、鳳璇と仏蓮の確執について聞かされます。さらに鳳浄執は長孫無極へ政略結婚を持ち掛け、自らとの婚姻が双方に利益をもたらすと積極的に迫ります。
その後、長孫無極は幼い頃に訪れた思い出の蓮池を訪れ、荒れ果てた景色を前に仏蓮と出会った日の記憶を懐かしみます。扶揺と合流した二人は、女王が毒に侵されていることや、穹蒼剣法を操る謎の黒衣の男の存在など、それぞれが得た情報を持ち寄り、璇璣王宮では想像以上に大きな陰謀が進行していると確信します。
翌日、鳳浄執は扶揺を璇璣の機密文書を保管する筱鸞台へ案内します。男装した扶揺に好意を抱き始めた鳳浄執は頼みを快く聞き入れ、普段は立ち入りを禁じられている場所へ特別に入れてしまいます。その隙を突いて長孫無極も密かに潜入しますが、気付かれそうになった扶揺は鳳浄執へ親しげに顔を近づけ、長孫無極を逃がそうと機転を利かせるのでした。
第55話の見どころ
長孫無極は鳳氏の族譜から璇璣王家に隠された秘密を探り、扶揺も王宮内部で真相解明に挑みます。一方、佛蓮は非煙の力を借りて新たな陰謀を進め、扶揺へ巧みに接近。さらに長孫無極は、かつて佛蓮との婚約を受け入れた理由を扶揺へ打ち明け、過去の誤解と真実が明らかになります。璇璣王宮に渦巻く陰謀と、それぞれの思惑が複雑に交差する見応え十分の一話です。
第55話のあらすじ
鳳浄執(ほうじょうしつ)に筱鸞台(しょうらんだい)を案内された扶揺は、彼女から思いがけず想い人の有無を尋ねられます。男装した扶揺に心を寄せ始めている鳳浄執は遠回しに好意を伝えますが、扶揺は薬の研究で忙しいことを理由に、その場をうまく切り抜けます。そのやり取りを陰から見守っていた長孫無極は思わず苦笑いを浮かべます。
扶揺たちがその場を離れると、長孫無極は元宝とともに筱鸞台の禁域へ潜入し、璇璣王家の族譜を調べ始めます。そこで判明したのは、女王・鳳璇の妹である鳳琦がすでに亡くなっている一方、その夫・玉衡は存命であること、さらに二人には鳳無名という子がいたという驚きの事実でした。しかし鳳無名の紋様だけは生死を示す印が曖昧で、長孫無極はこの人物こそが王家の秘密を解く重要な存在ではないかと考えます。
一方、唐易中は璇璣の命脈ともいえる鸑鷟淵を視察します。溶岩の流れは日に日に弱まり、このままでは五洲全体に深刻な影響が及ぶことは明らかでした。女王・鳳璇も異変の重大さを理解していましたが、自らが毒に侵され命が長くないこと、さらに二人の王女には王位を継ぐだけの資質が不足していることを憂えていました。国家が混乱に陥ることを避けるため、女王は病を隠し続けながら、唐易中に自分へ毒を盛った黒幕の捜査と、長孫無極たちの監視を密かに命じます。
その頃、王位への執着を強める佛蓮は非煙を呼び出し、扶揺を意のままに操るための「迷心術」を授けてほしいと願い出ます。扶揺を利用して非煙の望みを叶え、自らも王位を手に入れようという企みを知った非煙は、その願いを受け入れます。さらに佛蓮は扶揺を自室へ招き、これまでの非礼を詫びるとともに、自身の身分の象徴でもある鳳凰如意を差し出します。扶揺は佛蓮が改心したと信じ、その贈り物を受け取ります。
一方、鳳浄執は長孫無極と密かに会い、女王が病ではなく毒に侵されている可能性を聞かされます。五洲全体の安定を守るためにも真相究明が必要だと説得された鳳浄執は、長孫無極への協力を決意します。
扶揺は受け取った鳳凰如意を長孫無極に見せますが、長孫無極はそれが王女としての誇りと地位を象徴する極めて重要な品であると説明します。それでも扶揺は「売ればかなりのお金になりそう」と冗談を口にし、張り詰めた空気を和ませます。
その後、二人は鳳璇と鳳琦の過去について語り合います。長孫無極は、幼い頃に蓮池で出会った佛蓮との思い出を打ち明けます。当時は彼女の素性を知らず、不遇な少女だと思って励まし、いつか一緒に璇璣を離れようと約束していました。しかし約束の日、佛蓮は現れず、そのことが長孫無極の心に長く残り続けます。やがて佛蓮から届いた手紙で彼女の置かれた過酷な立場を知り、さらに璇璣との結び付きを強める狙いもあって婚約を受け入れたのだと扶揺へ真実を明かします。
そんな二人の前に唐易中が現れます。彼は天煞で扶揺たちと対面していたため、その正体に気付いていましたが、敵意はないと告げます。そして族譜だけでは真実は分からないと語り、王家の秘密を知るには「鳳五」という人物を訪ねるべきだと助言します。新たな手掛かりを得た長孫無極と扶揺は、璇璣王宮に隠された陰謀の核心へ向け、さらなる調査へと動き始めるのでした。
第56話の見どころ
扶揺の出生に隠された最大の秘密がついに明かされ、物語は大きな転換点を迎えます。扶揺こそが真の王女・鳳無名であり、唯一「鳳凰の霊性」を受け継ぐ存在だったという衝撃の真実は必見です。一方、佛蓮と女王・鳳璇の陰謀によって扶揺は殺人犯に仕立て上げられ、絶体絶命の危機に陥ります。長孫無極も救出に奔走しますが間に合わず、璇璣王宮を揺るがす権力争いと宿命が一気に動き出す、緊迫感あふれる重要エピソードです。
第56話のあらすじ
長孫無極と扶揺は鳳五から話を聞き、蓮の中から生まれた子どもが佛蓮だと伝えられていた過去に疑問を抱きます。本来、璇璣ではその子が王位継承者となるはずでしたが、女王・鳳璇は即位後に継承制度を改め、嫡長女である鳳浄執を王嗣に任命していました。この不自然な制度変更から、二人は「佛蓮は鳳璇の実子ではない」、あるいは「佛蓮には鳳凰の霊力がない」のではないかと推測します。そして長孫無極は、族譜に記されていた鳳無名こそが真の継承者であり、今も生きている可能性に思い至ります。
鳳五はさらに、鳳無名の父・孟朔こそが五洲十聖の一人・玉衡であり、鳳璇と妹・鳳琦の姉妹関係を壊した張本人であると明かします。また、璇璣の命脈である鸑鷟淵には邪悪な力を封じる神聖な火鳳凰が棲んでおり、もし女王がその力を維持できず鳳凰が飛び去れば、五洲全土が未曽有の危機に陥ると語ります。鳳五は長孫無極に璇璣と五洲を救ってほしいと懇願し、長孫無極はその願いを受け入れます。
屋敷を出ると、唐易中が二人を待っていました。長孫無極は彼が本来は鳳姓の人物であり、一族が没落したため身分を偽って生きてきたことを見抜きます。唐易中は長年女王に仕えながらも、その過ちを目の当たりにしてきたと打ち明け、今こそ長孫無極に璇璣を正しい道へ導いてほしいと託します。さらに女王の傍らには「影」と呼ばれる謎の護衛がおり、その正体は玉衡ではないかと示唆します。
一方、鳳浄執は偶然、鳳璇が自分を排除しようとしている計画を耳にします。その動きをすべて把握していた佛蓮は、鳳浄執だけでなく扶揺までも陥れるため、新たな罠を仕掛けていました。
その頃、長孫無極、扶揺、唐易中は鸑鷟淵の底へ向かいます。そこで驚くべきことに、火鳳凰の姿を見ることができたのは扶揺と元宝だけでした。扶揺だけが特別な存在であることを示す出来事に、一同は大きな衝撃を受けます。
調査を終えて戻る途中、長孫無極たちは「影」の襲撃を受けます。長孫無極は敵を引きつけて戦いますが、その隙に扶揺は王宮で起きた惨劇の幻影を目にし、激しい頭痛に襲われます。さらに何者かに気絶させられ、鳳浄執殺害の犯人に仕立て上げられてしまいます。
目を覚ました扶揺は、自分の手に血の付いた短刀が握られていること、そして佛蓮が自分を犯人として糾弾している光景を目の当たりにします。佛蓮は、扶揺が受け取った鳳凰如意に細工を施していたことを明かし、すべては扶揺を破滅させるための計画だったと冷酷に告げます。そして幼い頃に扶揺を守って命を落とした女性・許宛の存在を語り始めます。
その言葉をきっかけに封印されていた記憶がよみがえり、扶揺は衝撃の真実を知ります。幼い長孫無極が蓮池で出会った「小さな佛蓮」は本当は扶揺だったのです。扶揺こそが蓮から生まれた真の王女・鳳無名であり、唯一鳳凰の霊力を受け継ぐ存在でした。
一方、敵を退けた長孫無極は扶揺を救おうと急ぎますが、すでに璇璣の「殺人鐘」が鳴り響き、事件は取り返しのつかない局面へ進んでいました。その前に現れた玉衡は、扶揺を救いたければ自分と取引をするよう長孫無極へ持ちかけます。
扶揺はそのまま王宮へ連行され、佛蓮は涙ながらに扶揺を鳳浄執殺害の犯人だと訴えます。潔白を主張する扶揺は真実を明らかにするよう求めますが、鳳璇は扶揺こそが鳳無名であることを知っており、その存在を消すため佛蓮と共謀して今回の事件を仕組んでいました。やがて朝臣たちは佛蓮を新たな王嗣に推挙し、駆けつけた長孫無極は扶揺を救おうとします。しかし扶揺は彼まで巻き込むことを望まず、自ら罪を背負う覚悟を示します。鳳璇は扶揺を死牢へ送るよう命じ、長孫無極の必死の訴えも受け入れられないまま、璇璣王宮の陰謀はさらに深まっていくのでした。
















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