暗河伝

暗河伝

暗河伝 21話・22話・23話・24話 あらすじ

暗河伝 2025年 全38話 原題:暗河傳

目次

第21話 父の名誉と剣の道――蘇暮雨が見つけた答え

見どころ

蘇暮雨と劉雲起の決着がついに訪れる。怒りと憎しみに支配されかけながらも、父から受け継いだ剣の教えを胸に、自らの剣道を貫く蘇暮雨。そして無双城では宋燕回が命を懸けた決断を下し、四日後の宿命の対決へ向けて物語が大きく動き始める。


第21話では、蘇暮雨が長年抱え続けてきた父への想いと向き合う。

復讐のために振るう剣ではなく、自らの信念を証明するための剣へ。

その大きな成長が描かれる重要な回となった。

劉雲起との激闘

戦いはなおも続いていた。

劉雲起は蘇暮雨の剣を受けながら確信する。

この男は数え切れないほどの死線を潜り抜けてきた。

その剣には殺気が染みついている。

普通の剣客が持つ清廉さではなく、暗河の殺し屋として生きてきた者だけが持つ血の匂いがあった。

だからこそ劉雲起は蘇暮雨を追い詰めようとする。

父・蘇喆を否定し、その怒りを利用して剣を乱そうと考えたのである。

父が残した剣の教え

だが蘇暮雨は挑発に乗らなかった。

彼の脳裏には幼い頃の記憶が浮かんでいた。

父が語った剣道の境地である。

最初は「山を見れば山、水を見れば水」。

次に「山を見ても山ではなく、水を見ても水ではない」。

そして最後に「山は再び山となり、水は再び水となる」。

だが何より大切なのは、剣を抜く理由だと父は教えていた。

その言葉が蘇暮雨の心を支える。

殺意を超えた勝利

劉雲起はさらに煽り続ける。

蘇暮雨の殺意が強くなればなるほど、最後には自らを傷つけると考えていた。

しかし蘇暮雨は冷静だった。

彼の目的は復讐ではない。

父の名誉を取り戻すことだった。

その信念が剣を支える。

やがて勝負は決着する。

蘇暮雨の剣が劉雲起を打ち破り、老剣士は地面へと倒れ伏した。

宋燕回の介入

勝負が決まった瞬間、宋燕回が動く。

蘇暮雨がとどめを刺そうとしたためだった。

しかし宋燕回は本気ではなかった。

蘇暮雨もそれを理解していた。

もし宋燕回が本気で自分を止めるつもりなら、今の精神状態では勝ち目がない。

宋燕回は決して卑怯な勝ち方を望まない。

その姿勢に蘇暮雨もまた剣士としての矜持を感じ取る。

無双城が背負う罪

蘇暮雨の怒りは消えていなかった。

無剣城が滅ぼされた過去。

その時、劉雲起は多くの命を奪った。

幼い子供たちでさえ例外ではなかった。

宋燕回もまた、その事実を否定できない。

師の罪を理解しているからこそ苦悩していた。

それでも弟子として、目の前で師が殺される姿は見たくなかった。

彼は静かに蘇暮雨へ許しを請う。

剣心を砕かれた劉雲起

宋燕回は蘇暮雨へ告げる。

劉雲起の経脈はすでに断たれた。

たとえ生き延びたとしても長くはない。

蘇暮雨も理解していた。

剣士にとって本当に大切なのは命ではなく剣心である。

そして劉雲起の剣心は完全に砕かれていた。

それは死よりも重い敗北だった。

蘇暮雨は静かに剣を収める。

四日後の約束

その後、宋燕回は蘇暮雨へ一つの提案をする。

四日後に改めて勝負をしたいというのだ。

無双城の長老たちは皆、彼の剣匣に眠る剣を特別なものだと言ってきた。

そして今、無双城は彼に託されている。

だからこそ逃げるわけにはいかなかった。

蘇暮雨もまた、その申し出を受け入れる。

二人の決戦が正式に約束された瞬間だった。

蘇昌河の本音

この話を聞いた蘇昌河は呆れたような表情を浮かべる。

彼から見れば、わざわざ四日も待つ必要はない。

敵なら今すぐ倒せばいい。

それが最も合理的だからだ。

だが同時に理解もしていた。

蘇暮雨にとって今回の戦いは単なる勝負ではない。

長年抱えてきた心の傷と向き合う戦いでもある。

もしそれを乗り越えられるなら、待つ価値はある。

そう考えていた。

各地で動き出す思惑

一方で天啓城では新たな策謀が動いていた。

大皇子は蘇暮雨を利用し、無双城そのものを滅ぼそうと企んでいる。

しかし琅琊王は違った見方をしていた。

この騒動の裏には別の黒幕が存在する。

ならば相手の思惑に乗るふりをしながら、本当の敵を炙り出せばいい。

静かに反撃の機会を窺い始める。

趙玉真も無双城へ

蘇暮雨勝利の知らせは各地へ伝わる。

その報を聞いた趙玉真はすぐに反応した。

彼には無双城へ向かう理由があった。

師はその気持ちを見抜いていた。

そして今回は止めなかった。

趙玉真もまた、運命に導かれるように無双城へ向かうことを決める。

宋燕回の覚悟

劉雲起の葬儀を終えた宋燕回は、改めて自らの運命と向き合う。

彼にはまだ使っていない剣があった。

だがその剣を抜けば、自らの命を失う。

それでも彼は決意する。

無双城の城主として。

剣士として。

そして師の想いを背負う者として。

命を懸けて蘇暮雨との戦いに挑むことを。

弟子たちへの戒め

そんな中、宋燕回は弟子たちの密談を耳にする。

盧玉翟は師を助けるため、蘇暮雨を暗殺しようと考えていた。

しかし宋燕回は即座にそれを止める。

剣士の勝負は剣で決めるもの。

陰で命を奪うような真似は許されない。

皓月がなおも反論しようとするが、宋燕回は一撃で制する。

その姿には無双城城主としての威厳があった。

そして弟子たちもまた、師の覚悟を理解するのだった。


第21話の見どころ

    • 蘇暮雨と劉雲起の因縁に決着
    • 父・蘇喆が残した剣道の教え
    • 復讐ではなく名誉回復を選ぶ蘇暮雨の成長
    • 宋燕回が見せた剣士としての誇り
    • 劉雲起の剣心が完全に砕かれる場面
    • 四日後に約束された宿命の決戦
    • 大皇子と琅琊王、それぞれの思惑
    • 趙玉真が無双城へ向かう新展開
    • 命を懸けた宋燕回の覚悟
    • 無双城編が最終決戦へ向けて大きく動き出す重要回

    第22話 無双城に広がる毒霧――迫る陰謀と城主の覚悟

    見どころ

    無双城で行われるはずだった蘇暮雨と宋燕回の決戦を前に、城全体を巻き込む大事件が発生する。城内には謎の毒が広がり、各勢力の思惑が交錯。宋燕回の覚悟、盧玉翟の野心、そして白鶴淮の活躍が描かれる緊迫の一話。


    第22話では、無双城が未曾有の危機に見舞われる。

    宋燕回と蘇暮雨の対決を待ち望む者たちが集まる中、何者かによって城全体に毒が仕込まれていたことが発覚する。

    平穏だった無双城は、一気に陰謀渦巻く戦場へと変わっていく。

    宋燕回の覚悟

    宋燕回は盧玉翟を厳しい表情で見つめていた。

    もし無双城の中で問題を起こせば、誰であろうと許さない。

    城主としての強い意志を示したのである。

    皓月が感情を抑えきれず反発しようとするが、宋燕回は軽く手を上げるだけでその動きを封じる。

    盧玉翟は慌てて皓月を制止した。

    宋燕回は弟子たちの性格を熟知していた。

    最近の異変の裏には、外部勢力の影響があることも見抜いていたのである。

    彼は弟子たちに語る。

    剣士は正々堂々と戦うべきであり、勝つために邪道へ走ってはならないと。

    その言葉には師としての誇りが込められていた。

    盧玉翟の揺れる心

    盧玉翟はかつて命を救ってくれた師への恩義を忘れてはいなかった。

    だからこそ、宋燕回に勝ってほしいと強く願っている。

    しかし宋燕回は、弟子の思いとは違う未来を見据えていた。

    彼は盧玉翟に対し、将来は翟無双を支え、無双城を守る役目を果たしてほしいと伝える。

    その言葉はまるで遺言のようだった。

    盧玉翟は驚きを隠せない。

    だが最終的には師の言葉を受け入れ、翟無双を支えることを約束する。

    しかし心の奥底では、まだ別の思惑も抱えていた。

    無双城を開放する決断

    宋燕回はさらに驚くべき決定を下す。

    無双城の門を開き、各地から集まる人々を迎え入れるというのだ。

    盧玉翟は困惑する。

    これまでの無双城にはなかった方針だったからである。

    だが宋燕回は迷わない。

    無双城の衰退を望む者たちは少なくない。

    だからこそ閉じこもるのではなく、堂々と人々を迎え入れるべきだと考えたのである。

    その姿には城主としての覚悟が感じられた。

    翟無双との温かな時間

    一方、翟無双はいつもと違う師匠の様子に気付いていた。

    宋燕回は珍しく糖葫蘆を買い与え、優しく接していたのである。

    翟無双にとっては嬉しい出来事だった。

    だが宋燕回の胸中は複雑だった。

    これまで厳しく接し過ぎていたことへの後悔。

    そして自分に残された時間への覚悟。

    様々な思いが交錯していた。

    それでも彼は笑顔を見せながら、小さな弟子との時間を大切に過ごすのだった。

    白鶴淮、無双城へ向かう

    白鶴淮は蘇喆と共に街を歩いていた。

    しかし何を見ても心が動かない。

    名物も景色も彼女には退屈だった。

    ところが、蘇暮雨の名を耳にした瞬間、その表情が変わる。

    無双城へ向かう決意を固めたのである。

    蘇喆は娘を引き留めようとする。

    遠い場所だと説明するが、偶然居合わせた店員に嘘を見破られてしまう。

    結局、白鶴淮は無双城へ向かうことになる。

    百暁堂も掴めない唐憐月の行方

    百暁堂では依然として唐憐月の消息を追っていた。

    しかし情報網を総動員しても有力な手掛かりは得られない。

    やむなく方針を変更し、暗河の慕雨墨から別の情報を得ようとする。

    だが慕雨墨も苛立ちを募らせていた。

    百暁堂ですら見つけられないという事実は、それだけ事態が深刻であることを意味していた。

    蘇暮雨、勝負に自ら賭ける

    蘇暮雨は賭場を訪れる。

    そこでは宋燕回との対決を題材に賭けが行われていた。

    誰もが勝敗を予想して盛り上がっている。

    そんな中、蘇暮雨は静かに賭け金を差し出した。

    賭ける相手は――自分自身。

    周囲は騒然となる。

    あまりにも自信に満ちた行動だったからだ。

    しかし蘇暮雨にとっては、自らの剣を信じる当然の選択だった。

    無双城に広がる毒

    その頃、城内では異変が起きていた。

    突然「人が殺された」という叫び声が響き渡る。

    蘇暮雨は即座に異常を察知する。

    これは単なる騒動ではない。

    城内に潜む何者かが意図的に混乱を起こしているのだ。

    さらに白鶴淮が到着すると、彼女はすぐに異変の正体を見抜く。

    無双城全体に毒が撒かれていたのである。

    これは偶発的な事件ではない。

    明らかに計画された陰謀だった。

    謝宣の冷静な対応

    謝宣もまた城に到着していた。

    彼は毒の存在を察知する。

    だが慌てることはなかった。

    一本の蝋燭を灯し、その場で書物を開く。

    解毒法を探し始めたのである。

    非常事態であっても冷静さを失わない姿は、さすが儒剣仙と呼ばれる人物だった。

    宋燕回が見抜いた真相

    城の異変を聞いた宋燕回は即座に結論を出す。

    これは外部勢力による仕業だと。

    確かに盧玉翟には野心がある。

    だが無双城そのものを滅ぼすような行動を取るほど愚かではない。

    さらに宋燕回は、盧玉翟が天下坊と裏で接触していたことも見抜いていた。

    弟子は驚きを隠せない。

    宋燕回は静かに語る。

    弟子が犯した過ちならば、師にも責任がある。

    だからこそ自分が最後まで向き合わなければならないのだと。

    白鶴淮の五毒陣

    白鶴淮は急いで蘇暮雨のもとへ向かう。

    そして重大な事実を告げる。

    このまま城内に留まれば、内力は徐々に失われていく。

    毒はすでに無双城全域へ広がっていた。

    白鶴淮は迷わず五毒を放つ。

    特殊な陣法を展開し、毒の拡散を抑えようとしたのである。

    迫る決戦。

    広がる陰謀。

    そして無双城を覆う毒霧。

    蘇暮雨と宋燕回の戦いは、もはや二人だけの勝負ではなくなっていた。


    第22話の見どころ

    • 宋燕回が弟子たちへ託す最後の願い
    • 翟無双との心温まる師弟の時間
    • 無双城開放という大胆な決断
    • 蘇暮雨が自らの勝利に賭ける場面
    • 白鶴淮が毒の存在をいち早く見抜く展開
    • 謝宣による冷静な解毒法探索
    • 宋燕回が盧玉翟の野心を見抜く重要シーン
    • 無双城全体を巻き込む毒の陰謀が本格化
    • 白鶴淮の五毒陣による危機への対抗
    • 決戦直前に訪れる最大級の混乱と緊張感

    第23話 毒霧の黒幕――剣鬼の執念と白鶴淮の犠牲

    見どころ

    無双城を覆った毒霧の正体が徐々に明らかになる中、蘇暮雨は新たな強敵・剣無敵と対峙する。剣への執念に取り憑かれた男との戦いは、やがて無双城全体を巻き込む激戦へ発展。そして事件解決の直後、白鶴淮に思わぬ危機が訪れる。


    第23話では、無双城を揺るがした毒事件の黒幕が浮かび上がる。

    白鶴淮の知識によって毒の正体が解明される一方、蘇暮雨は剣の道を極めんとする危険な剣士と激突することになる。

    五毒陣が無双城を守る

    無双城全体に広がった花毒に対し、白鶴淮は温家秘伝の「五毒陣」を発動する。

    本来は敵を閉じ込めるための陣法だった。

    しかし白鶴淮は発想を逆転させる。

    毒を利用して毒を封じるという方法だった。

    温家でも滅多に見られない応用技に、周囲は驚きを隠せない。

    蘇暮雨もまた感心する。

    戦う力こそ持たないが、白鶴淮には誰にも真似できない知恵があった。

    一方で蘇昌河は警戒を強める。

    これほど大規模な毒を城全体へ散布できる人物など限られているからだ。

    毒の犯人は誰なのか

    白鶴淮は静かに推理を始める。

    この毒を作れる人物は天下に三人しかいない。

    まず候補から外れたのは温家の人物だった。

    雪月城と同盟関係にあり、このような騒動を起こす理由がない。

    続いて唐門の唐霊皇も除外される。

    唐霊皇の毒は確実に命を奪うためのものだ。

    解毒の余地を残す今回の毒とは性質が違う。

    そうなると残る人物は一人しかいなかった。

    洛燕蝶である。

    人を安らかな夢の中で死へ導くことを好む異常な毒使い。

    今回の花毒の特徴は、まさに彼女の手口と一致していた。

    姫若風の新たな策

    姫若風は情勢の変化を見逃さなかった。

    劉雲起はすでに死亡している。

    宋燕回の周囲にも頼れる人物は少ない。

    今こそ無双城の勢力図が大きく変わる時だと考えていた。

    そんな中、姫若風は剣無敵に近づく。

    彼が無類の剣好きであることを利用しようとしたのである。

    良剣を与え、さらに強者との戦いの機会を約束する。

    剣無敵はその誘いに興味を示した。

    ただし彼自身には城主になる野心はない。

    ただ純粋に強者との勝負だけを求めていた。

    剣無敵と顔戦天

    道中、剣無敵は毒に侵された顔戦天と遭遇する。

    手元には解毒薬があった。

    皓月君は慌てる。

    敵を助けるなど理解できなかったからだ。

    しかし剣無敵は最後まで迷った末、解毒薬を渡さなかった。

    それでも彼は後悔していなかった。

    いつか最高の状態の顔戦天と剣を交える日が来ると信じていたからである。

    その異様な価値観こそ、彼が剣に取り憑かれた存在であることを物語っていた。

    李寒衣の強引な尋問

    皓月君は逃亡を図ろうとする。

    だがその前に現れたのが李寒衣だった。

    彼女は容赦なく皓月君を追い詰める。

    鋭い眼差しと圧倒的な威圧感に耐えきれず、皓月君はついに解毒薬の在り処を明かした。

    李寒衣は解毒薬を確保し、無双城の危機を救うため動き出す。

    蘇喆と典葉の対決

    その頃、典葉が蘇昌河と蘇暮雨を名指しで訪ねてきた。

    二人はすぐに理解する。

    背後にいるのは大皇子だと。

    蘇昌河は前へ出ようとするが、蘇喆がそれを制した。

    自分はどこの勢力にも属さない。

    だからこそ自由に戦える。

    そう言って典葉との戦いを引き受ける。

    父として、そして剣士としての誇りがそこにはあった。

    剣無敵との激闘

    そしてついに剣無敵が蘇暮雨の前へ現れる。

    彼は純粋に戦いを求めていた。

    蘇暮雨もその挑戦を受ける。

    両者の剣がぶつかり合う。

    互いに一歩も譲らない。

    剣無敵は驚く。

    蘇暮雨の剣意は驚くほど純粋だった。

    数多くの血を見てきたはずの男とは思えないほど澄み切っている。

    一方で蘇暮雨も感じていた。

    剣無敵は剣だけを追い求めるあまり、人としての道を失いつつあると。

    魔へ堕ちた剣士

    戦いが進むにつれ、剣無敵の異常さは明らかになる。

    彼は強さを求めるためなら魔道へ堕ちることさえ厭わなかった。

    剣だけを信じ、人を信じない。

    そんな歪んだ価値観が彼を支配していた。

    最終的に蘇暮雨は全力を解放する。

    激しい攻防の末、剣無敵は敗北した。

    しかし蘇暮雨はすぐには止めを刺さない。

    その姿に剣士としての敬意が見えた。

    三人の剣士による決着

    だが状況は変わる。

    剣無敵は完全に魔へ堕ちようとしていた。

    宋燕回も戦いに加わる。

    さらに謝宣も前へ出る。

    三人は力を合わせ、暴走する剣無敵を止めようとする。

    そして激闘の末、蘇暮雨の剣が最後の一撃を放った。

    倒れた剣無敵は静かに呟く。

    剣だけは決して裏切らない。

    だが人は違う。

    その言葉を残し、彼は息を引き取った。

    無双城の危機終息

    典葉は剣無敵の敗北を見届けると、これ以上戦う意味はないと判断する。

    不利な状況を悟り、その場を去っていった。

    李寒衣は謝宣の助言を受け、解毒薬を花へ散布する。

    すると花毒は中和され、城内に漂っていた毒気も次第に消えていく。

    倒れていた人々も次々と目を覚ました。

    こうして無双城を襲った毒事件は終息へ向かう。

    しかし謝宣は気付いていた。

    この一連の事件すべてが、誰かによって巧妙に仕組まれたものだったことに。

    夜鴉の最後と白鶴淮の危機

    すべてが終わったかに見えた。

    だが突如、倒れたはずの剣無敵が再び動き出す。

    白鶴淮は瞬時に異変を察知する。

    背後で糸を引いていたのは夜鴉だった。

    薬人の術によって剣無敵を操っていたのである。

    白鶴淮たちは即座に反撃し、ついに夜鴉を討ち取ることに成功する。

    しかし代償は大きかった。

    戦いの最中、白鶴淮が薬人毒に侵されてしまう。

    みるみるうちに顔色は青白く変わっていく。

    仲間たちの表情から笑みが消える。

    無双城を救った功労者が、今度は自ら命の危機に晒されることになったのだった。


    第23話の見どころ

    • 白鶴淮が五毒陣を応用して花毒を封じる名場面
    • 洛燕蝶が毒事件の黒幕候補として浮上
    • 姫若風による新たな策略の始動
    • 李寒衣の強引な尋問と解毒薬奪取
    • 蘇喆と典葉の対峙
    • 蘇暮雨と剣無敵による剣士同士の激闘
    • 剣に取り憑かれた剣無敵の悲劇的な末路
    • 宋燕回と謝宣が共闘する熱い展開
    • 無双城全体を救う解毒作戦の成功
    • 夜鴉の暗躍が暴かれる衝撃の真相
    • 白鶴淮が薬人毒に侵される不穏なラスト
    • 決戦後も終わらない陰謀の存在が示される重要回

    第24話 薬人の毒――白鶴淮を救うために

    見どころ

    薬人の毒に侵された白鶴淮を救うため、蘇暮雨が必死の行動を見せる。一方で李寒衣は大皇子・蕭詠に直接制裁を加え、天啓城の権力争いも新たな局面へ。さらに蘇暮雨と白鶴淮の距離が大きく近づく、感情描写の濃いエピソードとなっている。


    第24話では、無双城での戦いを終えた直後、新たな危機が襲いかかる。

    夜鴉との戦いで薬人の毒を受けた白鶴淮の容体が急変し、仲間たちは彼女を救うため奔走することになる。

    同時に天啓城では、大皇子の陰謀に対し李寒衣が直接動き出し、権力者たちを震え上がらせるのだった。

    白鶴淮に迫る薬人の毒

    戦いが終わった直後、白鶴淮は自身の異変に気付く。

    薬人の毒が体内に残っており、炎症を通じて全身へ広がり始めていたのだ。

    顔色はみるみる青ざめ、事態の深刻さを悟った白鶴淮は蘇暮雨へ白い玉瓶を渡すよう求める。

    蘇暮雨は慌てて薬を取り出し服用させるが、その様子を見て薬人の毒が想像以上に厄介なものであることを思い知らされる。

    これまで危険な戦いを幾度も潜り抜けてきた白鶴淮でさえ、自力では対処できないほどの猛毒だった。

    辛百草への救援要請

    白鶴淮は冷静さを失わない。

    すぐに蘇喆へ伝令を頼み、蕭朝顔のもとにいる伝書鳩を飛ばすよう指示する。

    その鳩は薬王谷へ帰るよう訓練されており、辛百草が見れば必ず異変を察知するはずだった。

    白鶴淮は断言する。

    この毒を完全に治療できるのは辛百草しかいない、と。

    仲間たちも彼女の判断を信じ、救援到着までの時間を稼ぐことを決意する。

    蘇暮雨の決断

    白鶴淮の状態を見た蘇暮雨は迷わなかった。

    彼は白鶴淮を抱き上げると、そのまま南安へ向けて急行する。

    普段は感情を表に出さない蘇暮雨だが、この時ばかりは焦りを隠せない。

    大切な仲間を失いたくない。

    その思いだけが彼を突き動かしていた。

    無双城での勝利に浸る暇もなく、新たな戦いが始まっていたのである。

    李寒衣、大皇子を制圧

    その頃、李寒衣は単身で大皇子・蕭詠のもとを訪れていた。

    彼女は蕭詠の態度を見るなり強い嫌悪感を抱く。

    自らがすべてを操っているかのような振る舞い。

    そして天啓城の権力者たちが口にする「規矩」や「秩序」。

    それらすべてが李寒衣には気に入らなかった。

    蕭詠は怒りに任せて反撃しようとするが、李寒衣の前ではまったく歯が立たない。

    数合のうちに護衛たちは地面に倒れ伏し、蕭詠も恐怖に顔を引きつらせる。

    謝宣の仲裁

    緊張が高まる中、謝宣が姿を現す。

    彼は二人の間に入り、事態の沈静化を図る。

    蕭詠はなおも強硬な態度を崩さなかったが、李寒衣は最終的に剣を収める。

    実際のところ、彼女に本気で蕭詠を殺すつもりはなかった。

    ただ一度痛い目を見せることで、自分がどれほど危険な綱渡りをしているのか理解させたかったのである。

    李寒衣が去った後、蕭詠はようやく安堵の息を漏らした。

    辛百草の診断

    やがて辛百草が到着する。

    薬王谷随一の名医はすぐに白鶴淮の診察を始めた。

    しかし診断結果は決して楽観できるものではなかった。

    毒の進行は一時的に抑えられる。

    だが完全な解毒は不可能。

    その事実に蘇暮雨は大きな衝撃を受ける。

    白鶴淮を救うためには、薬人研究の中心人物である夜鴉を探し出すしかない。

    辛百草はそう告げるのだった。

    微妙な空気

    さらに辛百草は解毒法について説明する。

    白鶴淮が薬浴を行う際、強い内力を持つ者が傍で真気を送り続ける必要があるという。

    その説明を聞いた白鶴淮と蘇暮雨は思わず顔を赤らめる。

    二人の反応を見た蘇昌河は面白がり、もし蘇暮雨が嫌なら自分が代わってもいいと冗談を飛ばす。

    緊迫した状況の中にも、仲間たちらしい温かな空気が流れていた。

    桂花糕騒動

    白鶴淮の容体が落ち着いた後、辛百草は皆と食事を共にする。

    その際、話題はなぜか蘇暮雨の料理へと移った。

    辛百草は蘇暮雨の料理はきっとひどい味だろうと断言する。

    蘇暮雨は納得できず、自作の桂花糕を差し出した。

    しかも抹茶粉まで加えた自信作だった。

    香りは悪くない。

    辛百草も最初は期待を抱く。

    しかし一口食べた瞬間、顔をしかめて吐き出してしまう。

    周囲は大笑いし、蘇暮雨だけが不満そうな表情を浮かべるのだった。

    白鶴淮の優しさ

    食事の席でも蘇暮雨は落ち込んでいた。

    自分の料理はそれほど悪くないと思っていたからだ。

    そんな彼を見た白鶴淮は、さりげなく料理を取り分けて励ます。

    最初は簡単な料理から練習すればいい。

    その優しい気遣いに、蘇暮雨の表情も少し和らぐ。

    二人の距離は以前よりも確実に近づいていた。

    暗河に潜む裏切り者

    その頃、蘇昌河のもとには新たな報告が届く。

    暗河内部に裏切り者が存在し、その者が天啓城で大皇子と接触しているというのだ。

    さらに唐門との繋がりまで浮上する。

    蘇昌河は瞬時に状況を整理する。

    大皇子は唐門内部に協力者を抱えている可能性が高い。

    無双城の騒動が終わったと思われた矢先、さらに大きな陰謀の存在が見え始める。

    蘇昌河の目には再び危険な光が宿るのだった。

    慕雪薇の秘めた想い

    一方、慕雪薇は静かに蘇暮雨を見つめていた。

    彼女は以前から蘇暮雨に想いを寄せている。

    だが、その気持ちを伝えるつもりはない。

    蘇暮雨には別に大切な人がいるかもしれない。

    それでも彼が幸せになれるなら、それでいい。

    暗河で苦しい日々を過ごした時も、蘇暮雨の存在が彼女を支えてきた。

    だからこそ慕雪薇は、この想いを胸の奥にしまい込むことを選ぶ。

    それは切なくも優しい決意だった。


    第24話の見どころ

    • 白鶴淮に薬人の毒が再発する衝撃展開
    • 蘇暮雨が白鶴淮を抱えて救出へ向かう姿
    • 李寒衣が大皇子・蕭詠を圧倒する痛快な場面
    • 辛百草による薬人毒の診断と治療法
    • 蘇暮雨と白鶴淮の距離がさらに近づく展開
    • 桂花糕を巡るコミカルなやり取り
    • 暗河内部の裏切り者と大皇子の陰謀が浮上
    • 慕雪薇が胸に秘める切ない恋心
    • 無双城編後も続く新たな争いの予兆
    • 次なる大きな陰謀へ繋がる重要エピソード

    暗河伝 25話・26話・27話・28話 あらすじ

    暗河伝 各話あらすじ キャスト・相関図

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