玉骨遥(ぎょっこつよう)2023年 全43話 原題:玉骨遙
第21話の見どころ
時影から届いた「祝婚書」に傷ついた朱顔は、師匠との縁を自ら断ち切ろうと決意します。そんな彼女を守るため、止渊は四十鞭の罰を受けても居場所を明かそうとしません。さらに朱顔は父王の窮地を救うため、青罡との婚姻を受け入れることに。一方、時影との別れを前に、二人の恋はますます切ない局面を迎えます。
第21話のあらすじ
時影から届いた祝婚書を見た朱顔は、それが師匠の本心だと知り、大きな衝撃を受ける。これまで自分と時影は親しい師弟だと思っていた朱顔だったが、時影にとって自分はあくまで弟子の一人にすぎず、修行を終えれば互いに無関係になる存在なのだと思い知らされる。母妃が、青罡と長く一緒にいれば自然と夫婦になるだろうと慰めても、朱顔の心は晴れない。
悲しみに暮れた朱顔は馬車を走らせるが、その後を追ってきたのは止渊だった。止渊は彼女を引き止め、早く家へ戻るよう説得する。そして帰った後にはすべてを話し、これからもずっと朱顔のそばにいるつもりだと告げる。しかし朱顔の両親が娘の行方を問いただしても、止渊は彼女を誰にも知られない場所へ隠し、決して居場所を明かそうとはしなかった。
そのため止渊は厳しい罰を受け、四十鞭を打たれる。それでも口を割らなかった止渊は、傷ついた身体を引きずりながら自ら薬を塗る。そんな彼の姿を見た朱顔は涙を流し、傷の手当てをする。そして止渊が空桑の術を使える理由を尋ねると、止渊は朱顔の曾祖母との過去を語り始める。二人にはかつて深い愛情で結ばれた過去があり、止渊はその縁から朱顔とも特別な関係にあるのだと明かす。
止渊は、青罡も朱顔にとって悪くない相手であり、師匠である時影もきっとそう考えているのだろうと話す。しかし朱顔は納得できない。時影が自分を大切にしてくれていたと思っていたからこそ、今回のことで、師匠は最後まで自分を外の人間として扱っていたのだと感じてしまう。朱顔は、いずれ自分が出師すれば時影とは他人同然になるのだと考え、今度は自分から師匠との関係を断とうと決意する。
そんな中、朱顔は父王が青族から婚姻を迫られ、苦しい立場に置かれていることを知る。父を救うため、朱顔は自ら青罡との結婚を受け入れると申し出る。
一方、青妃は白雪鷺を呼び出し、自ら作った簪を贈る。そして彼女を側妃として迎え、今後も自分のために働かせようとする。そこへ青罡が現れ、朱顔を愛していない以上、好きでもない女性とは結婚しないと明言する。自分にはすでに心に決めた人がいるものの、その女性からは想われていないと告白し、戦場に戻って一生独身でいるつもりだとまで言い切る。
怒った青妃を前に、白雪鷺は青罡をかばい、今回の責任は朱顔にあると主張する。ところがそこへ使者が到着し、朱顔が婚姻を受け入れたことを告げる。一同は思いがけない知らせに驚く。
その頃、朱顔は何度も祝婚書を見つめ、再び時影の精神世界へ入ろうとする。しかし今回は大司命の力による助けがなく、どうしても時影のもとへ辿り着けない。時影もまた、弟子との別れを受け入れようとしていた。
朱顔は止渊のため、紙鶴の術を使って彼の愛する人を探そうとする。そして、その女性がすでに亡くなっていることを知ると、夜、人目を避けて術を使い、止渊にもう一度その人と会わせようとする。目を覚ました止渊の前に現れたのは、かつて愛した曜儀だった。最初は信じようとしなかった止渊だったが、彼女の言葉を聞くうちに確信し、思わず抱きしめる。ところがその姿を、偶然通りかかった赤王たちに見られてしまうのだった。
第22話の見どころ
止渊が曜儀の転生体である朱顔を抱きしめたことで、二人の関係が大きく揺れ動きます。朱顔を守ろうとする止渊は赤王府を去る決意をし、同時に過去の愛を思い返すことに。さらに朱顔には霍図部への嫁入りが決まり、時影もまた彼女が嫁ぐことを知ります。すれ違い続ける二人の想いが、さらなる波乱を呼びます。
第22話のあらすじ
止渊が朱顔を抱きしめているところを目撃した赤王は激怒し、止渊を平手打ちする。そこで止渊は、自分が抱きしめていた相手が曜儀ではなく朱顔だったことに気づき、動揺を隠せない。朱顔は自分が仕組んだことだと必死に説明するが、赤王は聞く耳を持たず、二族の婚姻を進めるためにも止渊を許そうとはしない。
さらに赤王は止渊を侮辱する言葉まで口にする。それを聞いた朱顔は怒り、止渊をかばう。身分や種族など関係なく、止渊こそ自分にとって誰よりも優れた人だと言い切るのだった。その言葉を聞いた止渊は、かつて曜儀から聞いた言葉と重なるものを感じる。
止渊の脳裏には、曜儀との過去が鮮明によみがえる。かつて戦場で傷を負った止渊を救い、剣術を教えてくれた女性こそ曜儀だった。二人はともに過ごすうちに深く愛し合うようになり、曜儀は死を目前にして、必ず転生して再び止渊のもとへ戻るから待っていてほしいと約束していた。
赤王が再び止渊に手を上げようとすると、朱顔は必死になって父の足にしがみつき、彼を傷つけないよう懇願する。しかし今回の騒ぎを見過ごせない赤王は、周囲から娘について余計な噂を立てられないよう、誰かに責任を取らせなければならないと考える。
そこで止渊は朱顔を守るため、自ら赤王府を去ることを決める。すべての責任を自分一人に背負わせ、周囲の者たちに別れを告げた止渊は、朱顔の制止を振り切って歩き出す。朱顔は追いかけようとするが、周囲の者に引き止められてしまう。
部屋へ戻った朱顔は、食事も喉を通らないほど落ち込み、傷を負った止渊の身を案じる。一方の止渊は高楼に立ち、再び曜儀との思い出を振り返っていた。彼女が戦場で自分を救ってくれたこと、二人が愛を育んだこと、そして最後に「転生して戻る」と約束したこと。そのすべてが、今になって一つにつながっていく。
しかし、止渊のそばには曜儀の残魂が残されていた。曜儀は涙ながらに、真実を告げる。自分は冰族の毒を受けたため転生することができず、頼りにしていた珠もすでに砕けてしまったのだという。もう自分はこの世に留まれない。だからこそ、止渊には朱顔とともに生きてほしいと願う。
止渊は愛する人の言葉を胸に刻み、たとえ朱顔が過去を思い出せなくても、いつか二人で穏やかに暮らせる日が来るまで彼女を守ることを決意する。
その頃、時影は重明を連れて赤族へ向かい、情報を探っていた。一方、霍図部では老爺が謎の黒煙によって命を落とす事件が発生する。魚姫を以前から快く思っていなかった大妃は、事件の責任をすべて彼女に押しつけようとするが、息子の柯爾克が現れて母を制止する。そして今は何より、父王の死を嘉蘭へ伝えることが先だと諭す。
その後、大妃は赤族郡主・朱顔との婚姻について話し合いを始める。朱顔もまた、自分が辺境の霍図部へ嫁ぐことになると知る。しかし父王をこれ以上苦しませたくない朱顔は、平静を装って嫁入りを承諾する。
一方、時影は大司命に冰族の謎の智者について推測を伝える。しかし大司命はその考えを遮り、憶測で冰族全体の開拓者を疑ってはならないと戒める。同時に、鲛族にまつわる予言にも十分警戒するよう告げる。
嫁入りを決めた朱顔は荷物を整理し、友人たちにも別れを告げる。そして皆で酒を飲んだ夜、止渊が密かに朱顔のもとを訪れる。言葉を交わすこともなく、ただ愛する女性の姿を見つめる止渊の胸には、決して消えることのない想いが残されていた。
第23話の見どころ
師匠・時影と止渊の両方を失ったように感じ、傷つく朱顔の前に、止渊は静かに寄り添います。やがて朱顔は霍図部へ嫁ぐことになりますが、そこで魚姫と蘇摩母子の過酷な境遇を知ることに。一方、時影も朱顔の嫁入りを知り、平静を装いながら心を乱します。二人の再会と、霍図部に潜む陰謀から目が離せません。
第23話のあらすじ
時影と止渊が相次いで自分のもとを離れたことで、朱顔は深く傷つき、寂しさを抱えたまま眠りにつく。そんな彼女を見つめながら、止渊はそっと自分の外套を掛ける。できることなら一生、朱顔のそばで彼女を守り続けたい。そう願う止渊は、自分が曜儀を愛していたことを朱顔に明かす時を待ちながら、まずは海皇を探し出し、正しい道へ導くことを決意する。二族の争いを解消できれば、誰にも邪魔されず朱顔と穏やかに生きられると考えていた。
翌朝、目を覚ました朱顔は、そばに置かれていた地図を見つける。自分のために用意されたものだとは信じられなかったが、周囲の者から止渊が残したものだと聞かされる。朱顔は、その気持ちを受け取るべきか迷いながらも、持っていた玉箫を旅に持っていくことを考える。
やがて出発の日を迎える。朱顔は身支度を整え、父王と母妃の前に跪き、これまで大切に育ててもらったことへの感謝を伝える。そして一人で霍図部へ向かう決意を固める。父母は娘を嫁に出す寂しさを隠せず、これからも赤王府にいた時と同じように自由に暮らせるよう、必要な物を送り続けると約束する。
馬車が遠ざかっていく姿を見送りながら、朱顔の両親は娘の幸せを願う。その一方、物陰には止渊の姿があった。彼は最後まで姿を見せることなく、朱顔の乗った馬車を静かに見つめ続ける。
霍図部へ到着した朱顔は、大妃とその息子・柯爾克の出迎えを受ける。しかし柯爾克がどれほど立派な人物に見えても、朱顔は彼を好きになることができない。心の中には今も時影の姿が残っていた。
その頃、九嶷山にいる時影は一通の手紙を手にしていた。そこには、弟の時雨に関する知らせとともに、弟子の朱顔が霍図部へ嫁ぐことになったという事実が記されている。時影は動揺し、朱顔との思い出を次々と思い返す。
そんな時影の様子を見た重明は、師匠が西荒まで出向いて朱顔を連れ戻すのではないかと考える。しかし時影は何事もなかったかのように席へ戻り、書物を読み始める。表面上は冷静でも、心の中では弟子との日々が消えることはなかった。
夜になると、朱顔は霍図部で沙魔について尋ねる。そして自分には逃婚するつもりがあると周囲に打ち明ける。そこへ止渊が現れ、朱顔は、先ほどの地図や旅のために用意された品がすべて彼によるものだったと知る。
それでも朱顔は止渊の想いを受け入れようとはせず、自分なら無事に逃げられると強がる。止渊は彼女の決意を尊重し、必要なことをすべて伝えると、再び静かに立ち去る。
その後、朱顔は人のいない隙を見て結界を抜け、馬小屋へ向かう。そこで上等な馬を探していた彼女は、結界の外に閉じ込められ、虐待されている魚姫と息子の蘇摩を発見する。二人の正体を知った朱顔は、自分だけ逃げるのではなく、彼らも一緒に救い出すべきか悩む。
一方、白雪鷺は大司命のもとを訪れ、青妃が企てている陰謀を打ち明ける。しかし大司命はすでにすべてを把握していた。そして時影に霍図部へ向かい、実情を探るよう命じる。
月夜、時影は一人で屋根に座り、玉箫を吹く。離れてしまった朱顔を思いながら奏でる音色は、彼女のいる霍図部へ届くことはない。
一方の朱顔は灯籠を手に魚姫と蘇摩を助けるため動き出す。傷ついた蘇摩が龍血古玉に触れると、その身体には次第に力が戻っていく。空には不吉な星の光が輝き、時影は異変を察知する。
時影は大司命に状況を報告し、自ら霍図部を詳しく調査することを決意する。翌朝、大妃は魚姫と蘇摩が消えたことに気づき、怒りに任せて捜索を命じる。一方、止渊も鲛人の姿を探して古嵬城へ向かおうとする。奇しくも時影もまた同じ場所へ向かうことになり、二人の行く先が再び交わろうとしていた。
第24話の見どころ
朱顔は逃婚を成功させるため、自分そっくりの身代わりを作る大胆な作戦に出ます。しかし、その裏では大妃たちが彼女を傀儡に仕立て、赤族を操ろうとする恐ろしい陰謀を進めていました。危機に陥った朱顔を救うため時影が再び力を振るう一方、師弟の距離は少しずつ変化していきます。時影の神伞が導く真実にも注目です。
第24話のあらすじ
逃婚を決意した朱顔は、誰にも気づかれずに霍図部から抜け出す方法を考えていた。そしてついに術を使い、自分とまったく同じ姿をした身代わりの「朱顔」を作り出すことに成功する。目の前に現れた自分そっくりの姿を見た朱顔は大喜びし、これなら自分がいなくなっても誰にも気づかれないと確信する。
一方、屋外では大妃と息子の柯爾克が婚礼の準備を進めていた。時影も人混みに紛れてその場へ現れ、周囲の話から朱顔が望んで嫁ぐのではなく、事情によって霍図部へ嫁がされていることを知る。
やがて婚礼の時間が迫り、大妃は柯爾克を連れて新婦を迎えに向かう。しかし本物の朱顔は身を隠し、遠くから一部始終を見守っていた。人混みの中にいた時影はすぐに彼女の存在を見抜く。しかも朱顔の額にある玉骨が偽物であることにも気づいてしまう。
その頃、婚礼の場には沙魔が密かに入り込んでいた。本物の朱顔がその場から脱出すると、彼女はさらに術を発動させる。そして沙魔が襲いかかった瞬間、身代わりの朱顔はその中へ巻き込まれ、命を落としてしまう。これはすべて本物の朱顔が仕組んだ逃婚の計画だった。
身代わりが倒れたことで自由になった朱顔は、安心してその場を離れる。しかし時影は彼女の行動を見逃さず、偽物の朱顔から玉骨を取り外す。朱顔が勝手に玉骨を身代わりへ移していたことを知った時影は、弟子の無鉄砲さに呆れながらも、その身を案じていた。
逃婚に成功した朱顔は馬を走らせ、川辺で身を清める。すると突然、空から時影が姿を現す。時影は、朱顔が自分から贈られた大切な玉骨を身代わりに使ったことを責める。ところが朱顔も負けてはいない。師匠こそ自分のことを放っておいて何をしているのかと反論し、自分の「金蝉脱殻」の作戦がいかに完璧だったかを得意げに語る。
時影はそんな朱顔を叱りながらも、次に彼女が誰かと結婚するときには自分が祝いに行くと告げる。朱顔が立ち去ろうとすると、時影は彼女を引き止め、自分が見つけた真実を見せる。
時影の神伞によって身を隠しながら二人が婚礼の場へ戻ると、そこでは死んだはずの身代わりの朱顔が大妃たちによって運び込まれていた。さらに大巫師は鲛人から取り出した眼球を身代わりの身体の前に置き、怪しげな術を始める。
その光景を見た朱顔は、自分が単に殺されるのではないことを知る。大妃たちは自分の身代わりを傀儡へと変え、意のままに操ることで赤族全体を支配しようとしていたのだ。民を巻き込む恐ろしい企みを知った時影は、これ以上黙って見ていることができず、朱顔を守りながら大妃たちの前に立ちはだかる。
しかしその直後、本物の朱顔の姿が敵に見つかってしまう。朱顔が外へ逃げると大巫師が追撃するが、時影はすぐに彼女を守り、術を使って大巫師を退ける。大妃は自分こそ被害者であるかのように振る舞い、朱顔たちを攻撃しようとするものの、時影の力には到底かなわない。
ついに動かぬ証拠を突きつけられ、大妃は罪を認める。さらに息子の柯爾克は、母の罪によって霍図部の民が苦しむことを知り、自ら命を絶って償う。
事件が解決すると、時影は朱顔を赤族へ送り返そうとする。しかし朱顔は素直に従おうとせず、師匠から叱られても自分の行動は間違っていないと強気に言い返す。そこで時影は術を使って彼女を結界の中に閉じ込め、赤王が迎えに来るまで修行に集中するよう命じる。
その後、時影は重明と合流し、二人で鬼嵬城へ向かって鲛人の行方を探ることにする。道中、重明は世子としての時影の才覚を改めて認め、嘉蘭へ戻って権力を握るべきではないかと勧める。しかし時影は、その話を二度と口にしないよう重明を厳しく制する。
夜になり、朱顔は自分を閉じ込めた結界を見つめる。そしてそれが自分のために時影が張ったものだと気づく。師匠は自分を追い払いたいのではなく、危険から守ろうとしているのではないか――。そう思った朱顔の脳裏に、先ほど助けた魚姫と蘇摩の姿がよみがえる。事件はまだ終わっていなかった。
















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