玉骨遥(ぎょっこつよう)2023年 全43話 原題:玉骨遙
第9話の見どころ
謎めいた老婆の幻惑に囚われながらも、時影は朱顔を救うため密かに動いていた。混沌の力を利用するという時影の真意を知らず、朱顔は彼の言葉に深く傷つく。しかし玉骨を巡る最後の試練で、朱顔は自らを犠牲にして仲間を救おうとする。そんな彼女の行動が、時影の試験を突破する鍵となる。
第9話のあらすじ
二人の前に現れた老婆は、この一帯が危険だと告げ、朱顔と時影を自分の家へ招き入れる。朱顔は老婆の親切を疑うことなく、時影にも早く中へ入るよう促す。
家の中では老婆が二人を温かくもてなす。朱顔は、自分たちがここを出ることを前提に話していたが、老婆は二人がこの場所に残り、一緒に暮らすものだと思い込んでいた。
朱顔が否定しようとしたその時、時影は突然彼女の手を取り、机の上の菓子を彼女の口元へ運ぶ。普段とはあまりにも違う時影の態度に、朱顔は戸惑いながらも菓子を口にする。しかし次の瞬間、老婆の様子が一変する。
老婆は二人をこの場所に閉じ込め、一緒に暮らそうと迫る。時影はすぐに老婆が抱える妄執を見抜き、術を使って幻惑を打ち破る。机の上にあった菓子も一瞬にして灰へと変わった。何も知らずに食べていた朱顔は慌てて吐き出し、なぜ先に教えてくれなかったのかと時影を責める。
二人が外へ出ると、時影はここへ来た本当の目的を明かす。自分は混沌の力を利用して目的を果たそうとしているのだという。朱顔はその言葉を聞き、これまで何度も時影に騙されてきたと感じ、激しく怒る。彼がまた自分を利用したのだと思い込み、深く傷ついた朱顔は、そのまま崖下へ身を投げる。
時影は追いかけず、静かに彼女を見送る。しかし、彼の真意は別にあった。朱顔に自分への恨みを抱かせ、その憎しみを力に変えることで、この危険な場所から生きて脱出させようとしていたのだ。
やがて朱顔が去ったことで、そこに存在する力も驚きを隠せない。まさかこの場所から善意を抱いたまま逃げ出す者がいるとは思っていなかったのだ。時影はすべてを見抜き、朱顔ならきっと最後には自分の本心を理解してくれると信じていた。
朱顔が目を覚ますと、そこには青罡がいた。彼女は時影が自分を救ってくれたことを思い出し、彼が無事にこの危険な場所から脱出できるのか心配になる。
その頃、大司命は時影が朱顔を救うため危険を冒したことを知り、激しく叱責していた。しかし時影は、人の命を軽んじる大司命の考え方には従えないと反論する。師弟の間には、命を守ることと復讐を優先することを巡って、深い溝が生まれていた。
やがて朱顔たちが目的地へ到着すると、白雪鷺らと合流する。そこにあった玉骨を見た白雪鷺は、誰よりも早く手に入れようとする。しかし玉骨に近づいた途端、身体が制御できなくなり、危険な状態に陥る。
それでも白雪鷺は玉骨を手放そうとしない。仲間たちまで危険にさらされるのを見た朱顔は、迷わず玉骨を投げ捨て、自分を犠牲にして皆を助けようとする。その行動によって、朱顔はついに時影が課した試練の真意を理解し、玉骨を手にする資格を得る。
ところが白雪鷺は、それでも玉骨を奪おうとする。争いの末、白雪鷺と青罡は崖から落ちそうになる。
試験を終えて戻った後、時影は白雪鷺を自分の首席弟子にしようとする。しかし大司命が現れ、朱顔を推す姿勢を見せる。最終的には、試験を通過した者たちを山に残してしばらく行動を観察し、その言動から首席弟子を決めることになった。
帰宅した朱顔は止渊と再会し、彼の傷を治療する。その最中、部屋に「鏡花水月」の幻境が現れ、朱顔は迷わずその中へ入っていく。止渊は幻境の中で朱顔と過去を重ね、彼女の曾祖母との古い記憶を思い出して、ひそかに心を痛める。
朱顔はその後、再び時影のもとへ向かい、自分を混沌から救ってくれたことに礼を言う。そして山を去ろうとするが、時影は大司命に疑われることを恐れる。二人が言い争っているところへ、突然大司命が現れる。時影はとっさに朱顔の姿を隠し、師に知られないよう必死に取り繕うのだった。
第10話の見どころ
九疑山で弟子たちを見極める役目を与えられた時影は、朱顔を特別扱いすることなく厳しく接する。罰として課された写経をきっかけに、二人の師弟関係は少しずつ形を成していく。一方、青罡から時影の髪を手に入れるよう頼まれた朱顔は、思わぬ騒動を巻き起こす。最後には、ついに正式な弟子入りを願い出る。
第10話のあらすじ
大司命がやって来ると、時影は何事もなかったように師と茶を飲む。大司命は、今回集められた弟子たちの中から最もふさわしい者を選ぶ役目を時影に任せる。しかし時影は、選抜に関しても大司命が必要以上に介入し、罪のない者を傷つけることを望んでいなかった。
その間、朱顔は身を隠していたが、落ち着かない様子で周囲を探っていた。やがて自分が時影の袖の中に隠されていることに気づく。大司命が弟子たちについて時影の意見を聞くと、時影は朱顔のことを「性格が騒がしく、規則を守らない」と評価する。
袖の中でその言葉を聞いた朱顔は怒り心頭。時影への仕返しを思いつき、とうとう自分から姿を現してしまう。
朱顔が姿を見せた後、時影は彼女にここへ残り、一カ月間修行するよう告げる。大司命に疑われないよう、他の弟子と同じように扱うことにしたのだ。
外へ出た朱顔は、手に書かれた文字を川の水で必死に洗い落としていた。そこへ白雪鷺が現れ、朱顔を皮肉る。しかし朱顔も負けずに言い返し、二人の間には早くも火花が散る。
翌朝、朱顔は寝坊して授業に遅れてしまう。白雪莺が慌てて彼女を起こしに行き、青罡も遅刻した朱顔をさりげなくかばう。
授業が始まっても、時影は朱顔を特別扱いしない。彼が他の弟子と同じように厳しく接する姿を見た大司命は、時影が朱顔に肩入れしているのではないかという疑いをいったん解く。しかし帰る際には、青族が身近な者に危害を加える可能性があるため、十分に警戒するよう時影へ忠告する。
授業が進む中、周囲の弟子たちは真剣に話を聞いているが、朱顔だけは眠そうにしている。ついには大胆にも、もっと実用的な術を教えてほしいと申し出る。
そこへ時影が現れ、朱顔と正面から向き合う。規則を軽視する彼女を厳しく叱り、罰として三日以内に『詩経』を書き写すよう命じる。
そんな朱顔のもとへ、今度は青罡がやって来る。彼は朱顔に、時影の髪を一本手に入れてほしいと頼む。その代わり、自分が『詩経』の写経を手伝うという。朱顔はすぐにその条件を受け入れる。
写経を終えた朱顔は意気揚々と時影を訪ねる。時影の話を聞いているうちに、青罡から頼まれたことを一瞬忘れそうになるが、何とか機会をうかがって彼の髪を手に入れようとする。
その後、時影は朱顔を蔵書閣へ連れていき、文字を読み解く方法を教える。最初は何も理解できなかった朱顔だが、少しずつコツをつかみ、目に見えて成長していく。
朱顔は自分の上達を喜び、時影がきっと豪華な夕食を用意してくれると思って駆け寄る。しかし目の前にあったのは、ごく普通の汁物と飯だけだった。空腹には勝てず、朱顔は文句を言いながらも食事を口にする。
朱顔の成長を認めた時影は、彼女の手に書かれていた文字を半分消してやる。そして褒美として川で捕まえた魚を彼女の器へ入れる。朱顔が喜んで食べようとした瞬間、重明が突然現れ、その魚を奪って逃げてしまう。
朱顔は重明を追いかけ、二人は山中を駆け回る。その様子を見ていた時影は、呆れながらもどこか穏やかな表情を浮かべる。
一方、止渊は帰宅後、再び身体に異変を感じていた。自身の身体に起きた変化から、龍神が目覚める場所が九疑山の近くにあるのではないかと推測する。
そして朱顔は再び時影のもとを訪ねる。今度は正式に弟子入りするため、自ら用意した拜師の品を持参していた。これからの一カ月間、弟子としてきちんと務めを果たすと誓い、朱顔は時影の手を取る。
さらに彼女は、弟子として時影に髪を結ってほしいと無邪気に頼む。思いがけない申し出を受けた時影は、果たしてどのような答えを返すのか。二人の師弟関係は、ここから新たな段階へと進んでいく。
第11話の見どころ
時影と朱顔の距離が一気に縮まり、師弟の間に漂う甘く切ない空気に注目です。時影の正体を知った青罡は、使命を果たすため彼に挑みますが、思いがけない時影の優しさに心を動かされることに。一方、時影は朱顔を守るため自ら毒を受けながらも、運命の「命劫」を信じず、彼女との絆を深めていきます。
第11話のあらすじ
時影が朱顔の弟子入りを認めたことで、二人の距離は少しずつ近づいていく。ある日、朱顔は師匠の髪を梳かすことになり、そばで見ていた重明は、二人の親密な様子に危機感を募らせる。朱顔自身も時影への想いに惑わされないよう自分に言い聞かせていたが、青罡から頼まれた任務を果たすため、時影の髪を一本抜き取ろうとする。しかし、時影はすぐに異変を察知し、自分の髪を渡すよう厳しく要求する。朱顔はしぶしぶ差し出すものの、実はこっそり一本を隠し持っていた。
その後、青罡は朱顔から受け取った時影の髪を筆と融合させ、ついに時影の正体を知る。心配した朱顔も密かに様子をうかがい、青罡から筆を奪い取ると、時影のもとへ持っていく。だが、時影が気にしていたのは自分の正体が露見することではなく、弟子である朱顔が修行を怠っていることだった。彼は朱顔にもっと精進するよう言い聞かせ、その姿勢に朱顔は改めて師匠への尊敬を深めていく。
夜になると、時影は門外で青罡が待っていることに気づく。青罡はすでに時影がかつての世子であると知り、朱顔から得た情報をもとに、使命を果たすべく時影に襲いかかる。しかし、実力差は明らかで、青罡は時影にまったく近づくことができない。追い詰められた青罡は、自らの体内にある猛毒を使う。それでも時影は彼を殺すどころか、毒に侵された青罡を救おうとする。そして自らも毒を受けながら、青罡に功法を見せ、さらには剣まで託す。時影の器の大きさに心を動かされた青罡は、彼の正体を誰にも明かさないと決意する。
しかし時影は戻った途端、毒に耐えきれず倒れそうになる。朱顔は師匠の異変に気づき、急いで解毒を試みる。時影は七星灯を使って体内の毒を排出し、無事に危機を乗り越える。安堵した朱顔は、これまで多くのことを教えてくれた師匠に感謝し、これからはもっと真剣に修行すると誓う。
一方、青罡は時影を守るため、外部には彼が新たな世子ではないと偽って伝える。だが、その直後、白雪鷺が彼の前に現れる。彼女もまた時影の正体を見抜いており、青罡をからかいながらも秘密を明かすつもりはないようだった。さらに白雪鷺は、自らが持つ情報と高貴な身分を武器に大司命へ取り入ろうとするが、思惑通りにはいかない。
翌日、弟子たちは課題として草環を編み、供物として献上することになる。不器用な朱顔も苦労しながら一つを完成させるが、その出来栄えは周囲から笑われてしまう。それでも時影は朱顔の草環を受け取り、夜になると数ある草環の中から彼女のものを選び出す。さらに翌朝、時影はその草環を身につけたまま皆の前に姿を現す。重明が命劫を心配するなか、時影は運命に抗うかのように、朱顔の存在を受け入れ始めていた。
第12話の見どころ
時影が朱顔の作った草環を身につけたことで、二人の関係にさらなる変化が訪れます。朱顔の無邪気な言動に、普段は冷静な時影まで心を乱される場面も必見です。さらに、酔った朱顔が時影に甘える微笑ましい展開の一方、白雪鷺は首徒の座を狙って動き始め、師弟をめぐる思惑が複雑に絡み合っていきます。
第12話のあらすじ
翌朝、弟子たちは時影の手に巻かれた草環が朱顔の作ったものだと気づき、羨望のまなざしを向ける。弟子たちは次々と時影の集中力を試そうとするが、誰一人として彼を動揺させることはできない。一方、青罡が真剣に読書をしているところへ白雪鷺が近づき、わざと彼を誘惑するような言葉をかける。青罡はたちまち心を乱され、周囲の視線を気にして学堂から逃げ出してしまう。
その後、朱顔も時影の集中力を試そうとする。普段は冷静沈着な時影だったが、朱顔が近づくと次第に心が乱れ、ついには外の雷雨まで激しく鳴り響く。二人の様子を見守っていた重明は、またしても師弟の距離が近づいていることに不安を募らせる。朱顔が戻った後も、手にした草環は落ち着かず揺れ続け、彼女自身の心もまた複雑に乱れていた。
そんな朱顔に、時影は改めて術法を教える。雨の季節を利用し、新たな術を一つずつ丁寧に指導する時影。朱顔が課題をやり遂げると、喜びのあまり師匠に抱きついてしまう。その突然の行動に驚いた重明は、思わず手にしていた傘を落としてしまい、たちまち小動物の姿へ変わってしまう。朱顔は可愛らしい姿になった重明を追いかけ回し、重明は必死に逃げていく。やがて時影が元の姿に戻ると、彼は重明の反応に腹を立て、何が起きたのかを問いただす。
その夜、朱顔は師匠のために食事を用意し、こっそり届けに来る。時影は嬉しさを隠しながらも、二人の間で起きたことを決して外に漏らさないよう朱顔に言い聞かせる。
翌日は弟子たちの試験の日。時影は全員に復習の大切さを説くが、結果が発表されると朱顔はまたしても最下位だった。それでも彼女は落ち込むことなく、持っていた木の実を皆に分けようとする。そんな中、青罡は朱顔に白雪鷺への尊敬の念を打ち明ける。実は白雪鷺は以前、青罡のもとを訪れて謝罪し、自ら作った菓子を渡していたのだ。しかし、その菓子を朱顔も口にしたところ、二人はそろって倒れてしまい、試験の時間を逃してしまう。
目を覚ました二人を待っていたのは、白雪鷺の嘲笑だった。朱顔は怒って彼女に手を出そうとするが、時影が間に入り、公平に事態を収める。悔しさを抱えた朱顔、青罡、白雪莺は酒を酌み交わし、互いの胸の内を語り合う。朱顔は、これからもっと努力して成績を上げ、白雪鷺と首徒の座を争うと宣言する。
その夜、通りかかった時影は酔いつぶれた朱顔を見つけ、彼女を支える。朱顔が首徒になりたいと知った時影は、ふらつきながら歩く彼女を心配して後を追う。朱顔は部屋で自分の「小白師匠」を探し回り、ついには時影の袖をつかんで甘えるように鼻水を拭いてしまう。二人はそのまま転び、時影は小動物の姿へと変化。朱顔は喜んで小白を抱きしめ、一緒に眠ろうとする。
一方、白雪鷺は夜中に大司命を訪ね、自分こそ首徒に選ばれると自信を見せる。大司命も彼女の成果に満足するが、そこへ時影が現れ、偶然にも二人の会話を耳にしてしまう。首徒をめぐる争いは、時影を巡るそれぞれの思惑をも巻き込み、さらに複雑な様相を見せ始める。
















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