大明皇妃 53話・54話・55話・56話 あらすじと感想

大明皇妃 -Empress of the Ming-

大明皇妃 -Empress of the Ming- 読み方:だいみんこうき エンプレス・オブ・ザ・ミン   2019年 全62話 原題:大明風華

dim-sumさん

第53話 あらすじ

第53話 玉座の重圧

若微は我が子である祁鎮を廃することを決心し、皇太妃・善祥の息子の祁鈺を景泰(けいたい)帝として即位させる。祁鈺はオイラトを追い払うために明の兵権を持つ于謙を取り込もうとするも、失敗。皇帝の命令であっても受けてはならないものもあると言われ憤るのだった。大晦日の晩餐で祁鈺は、若微に祁鎮が戻ってきた場合、彼に帝位を返す旨を申し出る。自分は郕王に戻るか、民となって母と郊外に住まうと言う祁鈺だが…。

出典:kandera 大明皇妃 -Empress of the Ming- ストーリー

第53話 感想

オイラトに捕まっている祁鎮は、もう皇帝ではないとオイラトから知らされました。祁鈺は南京に居る母の善祥に、皇帝に即位したこと、死んでも軟弱物と笑われたくない、無事に戻れれば恩に報いると書きました。

オイラトとの戦いはにらみ合いが続き、年越しの時期になりました。若微は方々から届いた贈り物を、南京に居る太皇太后や善祥に送るよう手配します。そして久し振りに届いた肉を使って、侍女の双喜たちと餃子を作って年越しを祝うことにしました。

祁鈺は、兵たちが集まり軍勢が整ったので、オイラトを追い払いたいと揚士奇たちに伝えます。しかし揚たちは、軍隊の総指揮権は若微が于謙に与えており、口出しできないと拒否されました。そこで太監を遣いに出し于謙に官位を与え、オイラトを大砲で攻撃せよと伝えます。しかし于はもし先帝の祁鎮が怪我をしたら誰が責任を取るのか、と拒みました。

知らせを聞いた祁鈺は太監を攻めますが、太監からはエセンが連敗中の今攻撃せず先帝が戻ったら、祁鈺の立場がどうなるか考えるべきだと炊きつけられます。

祁鈺は若微を尋ね、一緒に餃子を作り年越しの食事をします。若微は自分が皆を南京に送ったから寂しいと言い、祁鈺は若微は非凡で勇気がある、男の自分も敵わないと話します。そし皇帝を演じることに疲れた。母善祥から若微が策を講じて皇后になり、祁鎮が皇帝になったと聞いた。祁鎮が戻ったらどうか皇帝に復位させ、自分と母の命だけは助けて欲しいと平伏して泣きながら頼みました。

若微は、祁鎮は皇帝に相応しくないから祁鈺に託したのに、気持ちは伝わりませんでした。これも善祥が自分可愛さに、祁鈺に若微の悪い話を吹き込んだせいでしょうか。折角気晴らしのためにと餃子を作り年越しを楽しむつもりが、女官や宦官が大勢いる前で皇帝である祁鈺に平伏された若微が、気の毒でなりません。祁鎮はエセンに殺されそうだし、若微の苦労は続きそうです。

第54話 あらすじ

第54話 捕虜の解放

祁鈺からの申し出に若微は愕然とし皇宮を飛び出してしまう。当てもなく馬車を走らせていると外から何やら声が聞こえてくることに気づく。そこは明が捕らえたオイラトの兵たちの収容所であった。石亨(せききょう)から捕虜はいずれ殺すと聞かされた若微は、捕虜たちにある言葉を声高らかに宣言するのだった。一方、祁鎮とチムグは心の距離を日増しに縮めていた。ある日、祁鎮とチムグが親しげに話しているとエセンが現れ…。

出典:kandera 大明皇妃 -Empress of the Ming- ストーリー

第54話 感想

若微は、オイラトの捕虜を全員解放する決意をし、自らの言葉をその場で通訳させ直接捕虜たちに伝えました。そこで捕虜を返すのは明の慈悲、草原へ戻ったら子孫に未来永劫明と仲良くするよう伝えなさいと命令します。

そのころエセンは明軍を挑発するため、祁鎮を殺そうとしていました。祁鎮は逃げ回りながら、自分を殺せば明は攻撃を止めず、オイラトは馬一頭さえ長城を越えられないして。指揮官として兵を無駄死にさせるなと言います。そこへ若微から釈放された捕虜たちが戻り、エセンは刀を下しました。

明の朝廷では皇帝の祁鈺が、大臣たちにオイラトを砲撃せよと命令します。しかし祁鎮がオイラト側に居て砲撃はできない、戦は守備優先と若微とも決めていると于謙も他の大臣も祁鈺に従いません。祁鈺は苛立ち大臣たちを叱りつけ、退出してしまいました。

祁鎮は朝議のあと于謙に、石灰工場送りをちらつかせて砲撃するよう脅しますが、于謙は態度を変えず、オイラトへの砲撃は行えないの一点張り。

于謙が城壁へ戻り将軍の石亨たちと話していると、突然砲撃が始まりました。祁鈺が直接兵士に詔命を出したのです。若微は徐浜を遣いに出し、于謙に騎兵を出撃させ、砲撃を止めるよう助言しました。砲撃を受けたオイラトは祁鎮を連れて退却しました。

祁鈺には皇帝の位は重すぎたのでしょう、次第に行動が支離滅裂になってきました。年越しでは祁鎮に餃子を食べさせたいと涙した後、オイラトへ砲撃を命じ祁鎮を命の危険にさらしたり。オイラトが目障りでとにかく目の前から消えて欲しいと、それ以外は目に入らないとしたら、彼に皇帝は務まらないでしょうね。いつか抑え込んだものを破裂させそうで心配です。

一方の若微は、オイラト兵たちを帰還させました。広い心で敵を許し、未来の世代が互いを危険にさらさないようにと言う考えを表していて、祁鎮が言うように男子ならば皇帝になれたかも知れません。

第55話 あらすじ

第55話 母の祈り

祁鈺の独断で、オイラトへの砲撃が開始された。若微は敵陣に捕らわれている祁鎮が殺されかねないと案じ、祁鈺を非難する。徐浜(じょひん)の機転で事態は収束し、オイラトは撤退。だが祁鎮は依然としてオイラトに捕らわれていた。徐浜は自ら敵地に赴き、祁鎮のそばで仕えることを申し出る。戦いは終わり、若微は息子の帰還をひたすら祈る。一方、北京へ帰ってきた善祥は、自分の孫を皇太子に立てることを考えていた。

出典:kandera 大明皇妃 -Empress of the Ming- ストーリー

第55話 感想

若微は大臣が従わないので直接砲撃を命じたという祁鎮を、皇帝に独断は許されないと諭します。何度も親征した永楽帝ですら、将軍たちは勝手な命令には従わなかっただろうと。母善祥の名前を出す祁鈺に、若微は彼女は国のため尽くすことが解らない人と吐き捨てました。

若微が外に出ると徐浜が居て、祁鎮を救った褒美に礼部尚書にしてくれ、と言います。地位を貰えればオイラトへ行き祁鎮に仕える、自分以外に出来ない。必ず守って2,3年後に連れて帰ると言い、若微は恩に報いようがないと泣きます。

徐浜は錦衣衛2人とオイラトへ行き、エセンと面会しました。先に祁鎮に平伏して礼をし、エセンに立礼する徐浜に、太監の喜寧はエセンに失礼だと噛みつきました。徐浜は喜寧こそエセンの犬か、国を捨てたニセものと罵ります。エセンは徐浜が祁鎮に仕えることを認めました。

南京から善祥たちが戻ってきました。善祥は出家すると言い、安心するため孫を皇太子に付けよ、できないなら祁鈺は偽りの皇帝だと言い出します。

揚士奇たち3人は于謙を内閣主輔にし、隠居して帰郷することに。祁鈺は遺留と慰労を予て親しく食事をし、最後に自分に何か助言をせよと言います。すると3人とも祁鎮を早く取り返して欲しいと訴え、立太子はその後と言う始末。結局意見はすれ違ったまま宴は終わりました。

善祥は、戻って来るなり若微への敵対心むき出しです。祁鈺の妃も平手打ちにし、とても嫌な女性で表面を取り繕うことすらせず、毒を吐く感じ。

若微は戦死者たちを弔うため、私財を使って僧侶や道士を呼び平民も兵士も分け隔てなく弔います。息子祁鎮の過ちで大勢死者が出て、辛い心境でしょう。県令からは、食料も農具も家族も略奪に遭い、民が苦しんでいるとも聞きました。

その息子のため、徐浜がオイラトへ向かいます。飄々としていながらとても男らしく素敵でした。エセンや太監喜寧から祁鎮を守り、まともに躾けて欲しいです。

第56話 あらすじ

第56話 明かされた事実

オイラトでは祁鎮が徐浜を先生と呼び、多くのことを学んでいた。祁鎮は徐浜から春に北京へ帰れそうだと聞くも、チムグとの間に子供が生まれていたこともあり、複雑な思いを抱く。一方、太上皇である祁鎮から禅譲(ぜんじょう)を授からねば正統な皇帝になれない祁鈺は、そのために息子の立太子ができず焦っていた。礼法を重んじる礼部との確執を経て、祁鈺は少しずつたがが外れていく。そんな中、若微は皇后から衝撃の事実を聞かされる。

出典:kandera 大明皇妃 -Empress of the Ming- ストーリー

第56話 感想

北京から祁鎮の解放を求める使者が来ますが、エセンは皇帝と皇太后と話し合えと使者を追い返します。太監の喜寧は使者を呼び止めて宮廷内で誰が力を持っているのか尋ね、更に賄賂を要求して祁鎮に面会させました。

祁鈺は于謙を呼び出し、立太子の件で圧力を掛けます。于謙は若微は子に会いたいだけ、祁鎮が解放されても皇帝の座は求めないと言いました。それでも聞く耳を持たない祁鈺に于謙は呆れ、臣下は立太子の件に口出しできない。皇帝の行いは史書に残る、名誉を大切にと言い退出します。

オイラトではエセンが明の回答に苛立ち、祁鎮を殺そうとしていました。徐浜は祁鎮を庇いチムグまで出てきて祁鎮は命拾いをします。その後チムグは祁鎮の子を産みます。エセンはマハムードの子孫として恥ずかしいと、毛皮などを献上する隊列に兵士を忍ばせ、毒剣で将軍を襲うという喜寧の作戦に乗り、明に攻め込み大元国を再建を考えます。

宮廷では、皇后が善祥の虐待に耐えかねて、泣いて若微に出家したいと訴えました。若微は立場上助けられないと謝ります。すると皇后は、皇帝はエセンから祁鎮を解放する代わりに要求した品物のリストを焼き捨てている、祁鎮は帰ってこないと耳打ちしました。

自室へ戻った皇后は、善祥から若微に告げ口をしたと虐待され、それを見た祁鈺が善祥を止めると、今度は祁鈺に暴力を振るいます。皇后は子供抱いて泣き崩れます。

エセンが明の使者に対して何を苛立っているのかと思ったら、金品を要求しても何も送られてこないから、だったのですね。それは全て祁鈺(と善祥?)の仕業だった、だから祁鎮が帰れずに、オイラトに抑留されたままだと。若微と祁鎮は皇位に拘らないのに、ダークサイドに落ちた善祥には信じられない。祁鈺は立太子に反対する大臣を杖刑にし、遂に死者まで出しました。毒親のせいで壊れた?若微も口を出さず我慢しているのでしょうが、国の為にももう祁鈺は限界じゃないでしょうか。

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