玉骨遥(ぎょっこつよう)2023年 全43話 原題:玉骨遙
第1話の見どころ
政略結婚から逃げ出した赤族の郡主・朱顔は、幼い頃に自分を救ってくれた空桑の世子・時影への思いを胸に抱いていた。やがて二人は思いがけない形で再会するが、時影には「愛する者に殺される」という過酷な運命が待ち受けていた。母・白皇后を巡る陰謀と、朱顔との出会いが、二人の運命を大きく動かし始める。
第1話のあらすじ
赤族の郡主・朱顔は、帝君から与えられた婚約に従い、望まぬ相手との結婚を迫られていた。家族に災いが及ぶことを避けるため、華やかな婚礼衣装を身にまといながらも、心の中では決して運命に屈しようとはしない。朱顔は術を使って自分そっくりの傀儡を作り、本物の自分は軍帳から抜け出す計画を立てる。侍女に思いとどまるよう説得されても、自由を求める気持ちは変わらなかった。
やがて婚礼の儀が始まろうとしたとき、突然、砂魔が襲来する。朱顔はすべてを予見していたかのように落ち着いて行動し、身代わりの傀儡を砂漠に飲み込ませると、自らは赤い帳をまとって馬を走らせる。ようやく誰にも縛られない自由を手に入れた朱顔だったが、その道中、思いがけず師と出会う。
物語は過去へと遡る。幼い時影は空桑の世子として重い責任を背負い、日々、修行に励んでいた。一方、朱顔もまた幼い郡主として、ある日両親の目を盗んで宮外へ出る。世子に美しい花を贈り、その代わりに術を教えてもらおうと考えたのだ。そこで出会った時影は、目の前に現れた奔放な少女のことを強く印象に残す。
そんな中、皇后は宮中で鮫人の秋水娘娘と出会う。周囲が鮫人の身分を蔑む中、皇后は誰もが平等であるべきだとたしなめる。しかし、身重の秋水と朱顔の間に思わぬ騒動が起こる。桃の木から落ちてきた朱顔に驚いた秋水は、帝君から寵愛されていることを利用して彼女を責め立てる。そこへ時影が現れ、朱顔を助ける。朱顔はそこで初めて、目の前の青年が自分の憧れていた世子だと知る。
ところが秋水は時影への恨みを募らせ、帝君の前で彼に罰を受けたことを訴える。怒った帝君は息子を厳しく責め、さらに秋水は自ら時影を呼び出して剣で自分を刺し、その罪を彼になすりつける。帝君は時影の弁明にも耳を貸さず、息子を殺そうとするが、皇后が身を挺して守った。
その後、時影と母・白皇后は宮中で火を放ち、自ら命を絶ったように見せかける。知らせを聞いた朱顔は、時影が自分を助けたことで秋水に陥れられたと知り、火の中へ飛び込もうとするが、父に止められる。火が消えた後、帝君は時影の位牌を祀ることさえ禁じ、彼の名を口にすることも許さなかった。
それでも朱顔は命の危険を承知で時影を弔いに向かう。だが、彼女が知らないところで、本物の時影は母の頼みにより大司命とともに宮外へ出て修行を続けていた。さらに五年後、朱顔は時影を蘇らせるため師を訪ね、九疑山へ行くよう告げられる。そこでは、成長した時影が白い衣をまとい、ひそかに修行を続けていた。
第2話の見どころ
成長した朱顔は、五年前に命を救ってくれた時影を蘇らせる方法を求め、九疑山へ向かう。一方、時影もまた母への贈り物を完成させようと修行に励んでいた。祭祀大典を舞台に二人の距離が再び近づく中、朱顔は思わぬ危機に巻き込まれ、ついに時影と再会することになる。
第2話のあらすじ
九疑山では、成長した時影が人知れず術の修行に励んでいた。18歳の誕生日を迎える前に、母のために用意しているものを完成させ、誕生日の贈り物として届けたいと考えていたのだ。時影にとって修行は、母との約束を胸に生きるための大切な時間だった。
一方、赤族の郡主・朱顔も家へ戻っていた。長く家を空けていたため周囲から叱られるものの、祭祀大典が開かれると知った朱顔はたちまち興味を示し、自らも参加すると両親に宣言する。朱顔は三日という短い期間で献舞を仕上げるため、懸命に稽古に励む。
その頃、時影も九疑山の大典について耳にするが、外界の出来事にはほとんど関心を示さない。彼は母の誕生日に間に合わせることだけを考え、修行を続けていた。やがて重明が現れると、時影は彼とともに外へ出ることになる。
祭祀大典へ向かう途中、朱顔は神鳥の重明を見かけ、その背に乗る人物に強い興味を抱く。神秘的な姿に惹かれた朱顔は後を追い、さらに重明の羽にも関心を示す。その後、山中で傷ついた小鳥を見つけると、放っておけずに治療しようとする。ところが、その小鳥との出会いが思わぬ運命につながっていく。
祭祀大典では、多くの郡主たちが準備を整えていたが、朱顔はほとんど何も用意していなかった。そんな中、親友の白雪莺が周囲から侮られているのを見た朱顔は、彼女のために立ち上がる。自信を失いかけていた白雪莺を励まし、堂々と舞台へ送り出したのだ。その言葉に勇気を得た白雪莺は見事な舞を披露し、周囲から称賛を浴びる。
しかし、その華やかな祭典の裏では、空桑を滅ぼそうと企む黒衣の人物が暗躍していた。さらに白雪莺の姉・白雪鷺は、妹を出場させまいと舞衣を隠し、彼女を失格に追い込もうとする。
夜になると、朱顔は親友を助けるため、一人で険しい崖の下へ向かう。恐怖に耐えながらも舞衣を探し続け、ついにそれを見つけると、自ら身にまとって嬉しそうに舞い始める。ところが、その様子を見ていた人物がいた。
九疑山で修行をしていた時影だった。朱顔の危険な行動を見かねた時影は、彼女を救い出す。そこで初めて、時影は目の前にいる少女が赤族の郡主・朱顔であることを知る。五年前の記憶を失った朱顔と、彼女のことを知る時影。運命の再会は、静かに二人の物語を再び動かし始める。
第3話の見どころ
朱顔を守るため、時影は自ら危険に身をさらす。二人の間には次第に不思議な縁が生まれるが、時影には朱顔こそが自分の「命劫」であるという重大な秘密があった。一方、母・白皇后の悲劇を知った時影は、深い苦しみの中で復讐を決意する。
第3話のあらすじ
朱顔が状況を理解できないまま立ち尽くしていると、時影は術を使って彼女の背後にいた者を吹き飛ばす。朱顔は初めて、彼らが自分を狙っていたのではないことに気づく。時影は無力な朱顔を安全な場所へ連れて行き、自ら敵と対峙する。
激しい戦いの中、朱顔は白雪莺を助けようとして、彼女が大切にしていた舞衣を燃やしてしまう。時影はその衣を放り捨て、再び敵との戦いに集中する。やがて援軍が現れると、敵は撤退。朱顔は去ろうとする時影を呼び止め、何者なのかを尋ねようとするが、気づけば見知らぬ場所へ連れてこられていた。
その頃、時影は師である大司命と今回の襲撃について話し合っていた。帝王谷を狙った者の目的は分からず、空桑の内部に強力な術を使う内通者がいる可能性も浮上する。大司命は時影に、この件を決して外へ漏らさないよう釘を刺す。
一方、閉ざされた場所にいた朱顔は、目の前の時影が幻影であることに気づく。彼女はその顔をじっと見つめ、確かめるように手を伸ばして彼の肌に触れる。外にいる本物の時影も何か異変を感じ取るが、大司命の前では平静を装うしかない。
大司命が去った後、朱顔は再び時影へ近づく。ところが、その瞬間、本物の時影が彼女の手をつかむ。朱顔はようやく目の前の人物が幻ではないと知る。しかし、さらに問いただそうとしたところ、時影は彼女の額に手をかざし、五年前の出来事に関する記憶を消してしまう。そして彼女を密かに寝床へ運び、何事もなかったようにその場を去る。
外へ出た時影は重明と出会う。重明は、朱顔こそ時影の命劫であり、将来彼を殺す運命の女性だと必死に警告する。しかし時影は、その言葉を受け入れようとはしなかった。
やがて朱顔が目を覚ますと、すでに自宅へ戻されていた。九疑山で何が起きたのか、記憶は曖昧になっている。
その頃、白雪鷺は自分が求めるものを探すため、一人で深い崖の底へ向かっていた。重明は彼女を見つけると術で眠らせる。時影は彼女が自分の従妹であることに気づき、母・白皇后について何か知っているのではないかと問いかける。
そこで明らかになったのは、母が悲惨な最期を遂げたという事実だった。さらに大司命から、白皇后が炭を飲んで命を絶ったと知らされた時影は、激しい悲しみに襲われる。自分が母を苦しませ、死へ追い込んだのだと自責する時影を、大司命は必死に支える。そして、母の死を無駄にしないためにも復讐しなければならないと説く。
母の墓前にひざまずいた時影は、なおも自分を責め続ける。しかし大司命は彼に立ち上がるよう促し、命劫を乗り越えたうえで谷を出て、奪われた帝位を取り戻すよう告げる。母が生前どのような扱いを受けていたのかを知った時影は、ついに心を決める。母のため、そして自分自身の未来のために、復讐を果たすことを。
第4話の見どころ
母を奪った者たちへの怒りに苦しむ時影の前に、再び朱顔が現れる。命劫の相手だと知りながらも、五年前に自分へ祈りを捧げてくれた少女だと気づいた時影は、彼女を殺すことができない。二人の間に交わされた約束が、運命に抗う時影の心をつなぎ止めていく。
第4話のあらすじ
母・白皇后を陥れた者たちへの憎しみを募らせる時影は、怒りを抑えきれず、駆けつけた重明さえも攻撃してしまう。そんな中、朱顔は再び帝王谷を訪れていた。そこで見覚えのある花を見つけた朱顔は、自分がかつてこの場所へ来たことがあるのではないかと感じ始める。
やがて朱顔は重明と再会する。重明は彼女を利用して時影を助けようと考え、急いで時影のもとへ連れていく。しかし、その時の時影は母への悲しみと怒りに支配され、血まみれの手を見つめていた。彼は重明を母の悪口を言う奸人だと誤認し、攻撃しようとする。
危険を察した朱顔は、とっさに重明の前へ飛び出す。時影の攻撃をまともに受けた朱顔はその場に倒れてしまう。彼女を傷つけたことで、ようやく時影は我を取り戻した。重傷を負った朱顔を見た時影は、すぐに彼女を抱えてその場を離れる。
意識が薄れながらも、朱顔は時影の手を握り、自分が目を覚ましたら一つ頼みを聞いてほしいと告げる。時影は彼女の傷を案じながら、その願いを承諾する。
時影が治療を施す中、朱顔の額に浮かぶ琉璃の花を見た瞬間、彼は衝撃を受ける。それは、自分の命劫となる人物の印だった。しかし時影は、朱顔が自分を殺す運命の相手だとは認めようとしない。
重明は二人の様子を見て、時影が朱顔に情を抱いていることを察する。朱顔を殺せば命劫を断ち切れると考える重明は、彼女を始末しようとするが、時影はそれを阻止する。
さらに時影は、目の前の朱顔が五年前、自分のためにひそかに祈ってくれた少女なのではないかと考え始める。二人が移動する途中、偶然にも白皇后の墓へたどり着く。そこには名前さえ刻まれていない無字碑が立っていた。
朱顔は事情を知らぬまま白皇后のために祈り、悲しむ時影に、母の願いを胸に生きてほしいと伝える。その言葉を聞いた時影は、彼女が五年前に自分のために祈ってくれた少女だと確信する。
しかし、朱顔が自らの生辰を明かしたことで、重明もまた彼女こそ時影の命劫であると確信する。重明が手を下そうとした瞬間、時影が制止した。
時影は朱顔の記憶を再び消そうとするが、かつて彼女と交わした約束を思い出し、手を止める。そして重明に朱顔を谷の外へ送り届けるよう命じ、ここで見聞きしたことを誰にも話さないよう彼女に告げる。
朱顔は時影ほどの力を持つ神官に弟子入りしたいと願うものの、母を失ったばかりの彼にそれを言い出すことはできなかった。谷を去る際、朱顔は今回の出来事を秘密にすると約束する。
一方、重明は時影の優しさを責める。しかし時影は、母の最期の願いを胸に、これからは天下の民を守るために生きると決意していた。重明は朱顔が自分の羽を欲しがっていると思い込み、彼女に羽を渡す。
目を覚ました朱顔はその羽を喜び、神通力を持つ時影なら「枯木逢春」の術を知っているのではないかと考える。五年前、自分を救ってくれた幼い世子を蘇らせたい――その願いを叶えるため、朱顔は弟子入りの準備を始めるのだった。

















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