玉骨遥(ぎょっこつよう)2023年 全43話 原題:玉骨遙
第5話の見どころ
母への復讐を求める大司命と、憎しみに支配されたくない時影。二人の思いは大きく食い違い始める。一方、朱顔は時影に弟子入りする決意を固めるが、彼から冷たく拒絶されてしまう。その頃、白雪莺と時雨の間にも新たな恋の芽が生まれ、思惑渦巻く祭祀大典は大きく動き始める。
第5話のあらすじ
朱顔との出来事を経て、時影は以前とは見違えるほど穏やかな表情を取り戻していた。その姿を見た大司命は、九疑山で誰かが彼を助け、心の危機を乗り越えさせたのではないかと疑う。それでも大司命が時影に求めるのは、母・白皇后の仇を討つことだった。
しかし時影は、母の教えを胸に刻み、憎しみだけを糧に生きることを拒む。術の修行に専念し、二度と嘉蘭へ戻らず、永遠に山を出ないつもりだと告げるのだ。大司命は、母の死を背負って復讐に生きるべきだと激しく迫るが、時影は自分が憎しみに支配されれば、母が望まなかった人間になってしまうと考えていた。
二人の考えは最後まで交わらない。大司命は翌日、谷を出るよう時影に命じ、弟の時雨の様子を見るよう告げる。重明も時影に病を装って出かけないよう勧めるが、時影は大司命から疑われることを避けるため、予定通り外へ出ることを決める。そして朱顔とは、もう二度と会わないと心に誓う。
一方、白雪莺は道中で、一人の若い男が小さな本を片手に必死で話す練習をしている姿を目にする。その滑稽な様子に思わず笑ってしまった白雪莺だったが、彼こそ後に深く関わることになる人物だった。二人は互いの弱さを克服するため、励まし合いながら成長していく約束を交わす。
翌日の祭典では、白雪鷺が華やかな舞衣を身にまとい、美しい舞を披露する。周囲から称賛を浴び、彼女の優勝が決まりかけたその時、白雪莺が舞台へ進み出る。妹もまた再び競技に参加する意思を示したのだ。
その頃、朱顔の家族から彼女の好みを聞いた止渊は、郡主にふさわしい贈り物を探していた。夜になると身を隠すようにして鮫人市場へ向かう。そこへ海国君の兵たちが押し寄せ、市場の人々から強引に物を奪い始める。
止渊は身元を隠しながらも、困っている老人を見過ごせず、自分の金を差し出す。その老人は礼として貴重な品を渡す。周囲の鮫人たちは、彼が左権使であることに気づくが、止渊はあえて正体を明かそうとはしなかった。
翌日、白雪莺は舞台へ現れた時雨を見て驚く。彼こそ、以前道端で出会い、言葉を交わした若者だったのだ。一方、時影は弟と周囲の者たちを静かに見つめていた。だが、それは大司命が意図的に仕組んだものだった。時影に、弟がかつて自分の持っていたものを一つずつ奪っていく光景を見せようとしていたのである。
舞台上で時雨は緊張のあまり言葉を忘れてしまう。しかし、白雪莺から以前かけられた言葉を思い出すと、見事に内容を思い出し、最後までやり遂げる。その姿を見た時影は、弟の成長を心から喜ぶ。
その後、朱顔たちが舞台に立つと、大司命は白雪莺が身につけていた羽に気づく。それが重明の羽だと察した大司命は、彼女を問いただす。物陰で話を聞いていた朱顔は、自分が羽を渡してしまったことが原因だと悟る。
朱顔は責任を感じ、再び一人で帝王谷へ向かう。そして時影に直接謝ろうとするが、重明は彼女が戻ってきたことを好機と考え、命劫の相手を始末しようとする。そこへ時影が現れ、朱顔を守るため、あえて冷たい言葉を口にする。
時影は自分には「枯木逢春」の術など存在しないと告げ、朱顔を突き放す。五年前に救ってくれた世子を蘇らせたいという朱顔の願いを、断ち切るためだった。
悲しみに沈んだ朱顔が去った後、白雪莺は彼女へ薬を届けようとする。その道中で再び時雨と出会う。時雨は彼女のために自ら作った木彫りを手渡し、秘めていた思いを伝える。しかし、その二人の会話を、偶然にも白雪鷺が聞いていた。
それぞれの思いが交錯する中、時影と朱顔の運命もまた、少しずつ避けられない方向へと動き始めていた。
第6話の見どころ
時影への思いを断ち切れない朱顔は、重明の助けを借りて「枯木逢春」の術を探し続ける。一方、白雪鷺は妹と時雨の関係を知り、恋と家柄を巡る争いを決意。さらに時影は朱顔を突き放すため、あえて冷酷な嘘をつく。すれ違う二人の思いが、運命の歯車をさらに大きく動かしていく。
第6話のあらすじ
白雪鷺は、妹・白雪莺と時雨の関係を知り、ひとり物思いに沈んでいた。これまでどこか世間知らずで純粋だと思っていた妹が、実は時雨と密かに心を通わせていたことに気づいたのだ。自分は二人の関係を隠すための盾に過ぎなかったのだと悟った白雪鷺は、深い屈辱を感じる。しかし、最後まで諦めるつもりはなかった。妹と正面から競い合い、時雨の心をつかんで高い地位を得ようと決意する。
一方、朱顔もまた元気を失っていた。白雪莺から「一目ぼれの相手に出会ったのか」と尋ねられても、朱顔は必死に否定する。そんな朱顔に、白雪莺は自分と時雨が互いに思い合っていることを打ち明ける。二人の話を聞いた朱顔は、時雨も親友を本当に大切に思っているのだと感じ、二人の仲を取り持とうとする。しかし白雪莺は、二人の恋にはそれぞれの家族や身分が絡み、簡単にはいかないと考えていた。
その言葉を聞いた朱顔は、五年前に亡くなったと思っていた幼い世子・時影を思い出す。自分を救ってくれた彼を何とか蘇らせたいという思いが再び込み上げ、朱顔の目には涙が浮かぶ。その様子を見ていた重明も、朱顔と時影の関係をどうすべきなのか迷い始める。
やがて重明は朱顔を訪ね、彼女が望む術を学ぶ手助けをすると申し出る。朱顔はわずかな可能性でも試してみようと決意する。
その頃、白雪莺が時雨から贈られた品を眺めていると、白雪鷺が現れ、妹からそれを奪い取る。さらに白雪鷺は一族の者を集め、白雪莺が恋人と密会していたことを公然と暴露する。時雨との約束を守るため、白雪莺は詳しい事情を話そうとせず、周囲からの非難を一身に受けることになる。
一方、朱顔は七星灯を探すため危険な場所へ向かう。命を落としかねない状況に陥ったことで、時影は重明が何かを隠していると察し、様子を確かめに行く。そして、朱顔が今なお自分を蘇らせようとしていることを知り、心が大きく揺れる。
時影は朱顔を諦めさせるため、あえて残酷な嘘をつく。自分が彼女をここへ呼び寄せたのは、彼女自身に現実を思い知らせるためだと告げ、これ以上自分につきまとうなと突き放す。朱顔は深く傷つき、失意のまま谷を後にする。
帰った朱顔は、白雪莺が一族から責められていると知り、今度は前殿へ乗り込む。そして隠れている時雨を厳しく問いただし、白雪莺を連れてここから出るよう迫る。すると時雨は、ついに自ら白雪莺を愛していることを認め、彼女を守るために立ち上がる。周囲が驚く中、白雪莺の父も二人の仲を認め、娘と時雨を結びつけようとする。
しかしその後、大司命は白雪莺の父を訪ね、時雨の本当の身分を明かす。そして、これ以上時雨に対して卑屈な態度を取る必要はないと告げる。
一方、朱顔は時影に突き放された悲しみから部屋に閉じこもり、食事も取らなくなる。見かねた止渊が彼女を訪ね、外へ連れ出す。二人は街を歩きながら美味しいものを食べ、これからは互いに悲しいことがあれば何でも話そうと約束する。
その頃、時影は母・白皇后の墓を訪れていた。墓前にひざまずいた彼は、母への恋しさを募らせ、毎年の誕生日に母が作ってくれた菓子を思い出す。朱顔を遠ざけた時影の心にもまた、深い孤独と母への思いが残されていた。
第7話の見どころ
止渊から贈り物を受け取った朱顔は、過去に囚われるのではなく、今いる人たちを守ることを決意する。一方、時影が生きている可能性を疑う青王は、ついにその正体を探り始める。18歳を迎えた時影が九疑山の少司命となる中、朱顔もまた弟子入りを目指すことに。二人の再会は、もはや避けられないものとなっていく。
第7話のあらすじ
止渊は、朱顔のために自ら選んだ贈り物を手渡す。思いがけない贈り物に喜んだ朱顔は、これまでの自分を変えようと決意する。たとえ「枯木逢春」の術を手に入れられなくても、今そばにいる人々を精一杯守ろうと思ったのだ。そして止渊のことも、自分にとって大切な人として守っていくと心に決める。
一方、青王は以前、大司命が一人の小神官をかばうために自分を厳しく追及したことを思い出していた。その出来事から、大司命が帝君を欺いて誰かを密かに救い出したのではないかと疑い始める。もし九疑山に隠されている人物が時影ならば、これは欺君の大罪となる。青王は北冕帝にこの事実を知らせるとともに、息子・時雨と手を組み、後々の禍根を断つことを決意する。
その頃、白雪鷺は父から受けた警告を思い返していた。そこへ青妃から突然の招きを受け、茶を共にすることになる。青妃は回りくどい言い方をせず、白雪鷺に時雨へ嫁ぐ気があるかと尋ねる。白雪鷺が肯定すると、さらに帝王谷へ行ったことがあるかと問いかける。そして帰り際には、彼女へ高価な贈り物を渡す。
侍女は青妃に認められた証だと喜ぶが、白雪鷺は違った。青妃が自分を呼んだのは、身分の低い自分を利用するためだと見抜いていたのだ。むしろそのやり取りから、帝王谷に隠されている人物が只者ではないと確信する。白雪鷺は、ここで何もせず待つのではなく、自ら真実を探ることを決める。
一方、時影は18歳の誕生日を迎える。大司命は室内で白皇后の肖像を見つめながら、時影のために特別な贈り物を用意していた。そして時影を九疑山の少司命に任命し、山を下りて弟子を集めるよう命じる。これは大司命が進める大きな計画の一環だった。
しかし時影は権力に興味を持たず、ひたすら修道の道を歩もうとしていた。重明から贈られた誕生日の品を受け取った時影は、その中に朱顔が忍ばせた品を見つける。だが彼は迷うことなく炭火の中へ投げ入れ、焼き捨ててしまう。
やがて「大司命が九疑山で弟子を募集する」という噂が各地へ広がる。それを聞いた青王は、帝王谷に隠されている小神官こそ、実は時影なのではないかとの疑念をさらに強める。そして青族きっての腕利きの刺客を送り込み、真相を探らせることにする。
一方、白王も弟子募集の話を知り、二人の娘を九疑山へ行かせて修行させようと考える。父からその話を聞いた朱顔は、一瞬にして時影のことを思い出し、胸を痛める。しかし止渊に励まされると、再び前を向く。
朱顔は親友の白雪莺と再会し、自分も大司命の一番弟子になるつもりだと嬉しそうに話す。だが白雪莺は、姉・白雪鷺こそ最大のライバルになるだろうと心配する。朱顔はその話を聞き、逆に白雪鷺がどんな人物なのか会ってみたいと興味を示す。
翌日、選抜の場に集まった候補者たちは、青罡将軍への贈り物を用意していた。しかし白雪鷺だけは手ぶらだった。彼女はすでに青罡の性格を調べ、形式的な贈り物では相手の心を動かせないことを知っていたのだ。
青罡は朱顔をわざと困らせようとするが、朱顔は怯まず、機会があれば自分と勝負してほしいと堂々と言い返す。
その頃、時影は身支度を整え、冠礼の儀へ向かっていた。彼の姿を見た朱顔は、ついにその正体を認める。五年前に自分を救ってくれた世子が、目の前にいる時影だと気づいたのだ。
しかし時影が試験の規則を説明する中、朱顔には組む相手がいない。ひとり取り残された彼女を待っていたのは、思いもよらぬ重明のいたずらだった。
第8話の見どころ
危険な試練の中で、時影と朱顔は再び同じ道を歩むことになる。穷奇や混沌に追われ、命の危機に陥った朱顔を時影が救う中、二人は心の奥にある過去を語り合う。幼い頃の記憶を通して少しずつ距離を縮める二人だが、時影はなおも自らの運命と戦っていた。
第8話のあらすじ
朱顔が危険にさらされた瞬間、青罡が駆けつけ、彼女を襲おうとした攻撃を身を挺して防ぐ。重明の陰湿ないたずらを快く思わない青罡は彼を責め、重明はその場から逃げ出す。青罡は朱顔を連れて試験を続けるため、彼女と組んで山へ向かう。
一方、九疑山にいる大司命は法器を通して試験の様子を見ていた。候補者たちが次々と危険にさらされる中、大司命は白家の二人の娘を密かに助けるよう命じる。しかし青罡に対しては容赦がなく、凶暴な穷奇を放ち、試練を突破できるかどうかを見極めようとする。朱顔もまた青罡と行動を共にしていたため、巻き込まれることになる。
進んでいくうちに、朱顔は試験を続ける気がなくなり、帰ろうとする。ところがその先に恐ろしい穷奇が姿を現す。驚いた朱顔は青罡の手を引き、必死に逃げる。穷奇は二人を追い詰め、ついには崖の上まで追い込んでしまう。
絶体絶命の状況で、朱顔は古書に書かれていた穷奇の習性を思い出す。そして機転を利かせ、穷奇を惑わせる言葉を投げかけることで、なんとか危機を切り抜ける。
しかし、さらなる危険が迫っていた。時影は法器を通して朱顔たちが混沌に追い詰められていることを知り、急いで現場へ向かう。朱顔は混沌の力によって意識を失いかけ、崖から落ちそうになる。間一髪、時影が彼女を引き上げる。
時影は朱顔をその場に残して去ることもできたが、彼女を安全な場所まで助けることを選ぶ。朱顔はそこで改めて、目の前の人物が時影本人であることを確信する。ところが、彼女は五年前の記憶や自分の思いを意識し、時影との距離を置こうとする。
その後、二人の前に危険な光景が広がる。時影は法器を朱顔へ渡し、彼女を守ろうとする。朱顔も危険を前にして時影のそばへ駆け寄り、これまで抱いていた彼への反感を少しずつ手放していく。そして、時影は自分が思っていたほど冷たい人物ではないのだと理解する。
二人は試練を突破するため、心の記憶を試される橋へと進む。朱顔は、幼い頃に出会った小さな世子との思い出を時影に語る。すると不思議なことに、二人の前にある橋が少しずつ先へ伸びていく。
その意味に気づかない時影は、母・白皇后との過去を語る。しかし、母との記憶を振り返っても、彼の中に浮かぶのは苦しみや悲しみばかりで、楽しかった思い出がほとんどない。
朱顔はそんな時影の姿を見て、彼の心に少しでも明るい記憶を残そうとする。自分がこれまで経験した楽しかった出来事を、身振りを交えながら楽しそうに語り始める。そのたびに橋は少しずつ前へ伸びていく。
時影は黙って朱顔の話に耳を傾ける。そして最後の思い出を語り終えた時、朱顔は自分と時影にまつわる話をすれば、橋が崩れてしまうのではないかと考える。しかし予想に反して橋は崩れず、さらに先へ伸びていった。
時影はその瞬間を逃さず、朱顔の手を取って先へ走り出す。朱顔は、時影にとって自分との記憶が必ずしも苦痛ではないのだと気づく。時影を笑顔にできたことに喜びながらも、手を引かれたことには腹を立て、彼の手を振りほどく。
試練の先で二人を待っていたのは、一人の老人だった。思いがけない出会いが、二人に新たな試練をもたらそうとしていた。
















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