女医明妃伝~雪の日の誓い~ 2016年 全50話 原題:女医・明妃傳
第21話 女医としての第一歩
渤泥国王妃の病を見事に治した允賢(いんけん)は、宮中で一躍注目を集める存在となる。従来の医術にとらわれず、患者に合わせた柔軟な治療法を用いる彼女の姿勢は、劉院判からも高く評価された。一方で、再び敗北を喫した程村霞は屈辱を隠せず、允賢への対抗心をますます強めていく。
そんな中、郕王・朱祁鈺は自らの非を認め、允賢に謝罪する。二人はようやく和解し、再び穏やかな時間を取り戻す。しかし、その仲睦まじい様子を偶然目撃した英宗・朱祁鎮は、胸に秘めた想いを抑えながら静かに立ち去るしかなかった。
郕王と允賢の絆が揺るがないことを悟った太后と呉太妃は、正妃ではなく側妃として迎える案を考え始める。しかし汪美麟はこれに激しく反発し、允賢を排除するための策を巡らせる。太后はその陰湿な企みを許さず制止するが、汪国公父娘は別の方法で允賢を陥れようと画策する。
一方、允賢は皇后の健康を気遣い、懐妊を願って薬膳作りに励む。皇后との語らいの中で、二人は王振に対する疑念を深めていく。また允賢は身分の低い宮女や宦官たちが十分な医療を受けられない現状を知り、自ら診察を始める。御薬房には長い列ができ、宮人たちは彼女を慕うようになる。
その熱意に心を動かされた英宗は、允賢が目指す医療改革を支援する決意を固める。こうして允賢は、身分に関係なく病に苦しむ人々を救うため、新たな一歩を踏み出すのだった。
第22話 毒酒と救いの命
允賢と英宗の親しげな様子を目撃した郕王は、心の奥に嫉妬と不安を抱く。さらに汪国公の策略によって、二人の関係に疑念を抱かされることになる。それでも郕王は允賢を信じようとし、郕州へ戻って結婚することを提案する。
しかし朝廷では、允賢が宮人たちを診察していることが問題視されていた。保守派の官僚たちは「女医が宦官を診るのは不適切だ」と激しく非難し、允賢への批判は日に日に高まる。英宗は彼女を守ろうとするが、その姿勢がかえって太后との対立を深めてしまう。
郕王との話し合いでも、允賢は理解されない苦しみを感じていた。愛する人からも疑いの目を向けられたことで、彼女の心は大きく傷つく。
そんな中、太后は允賢を呼び出し、干政の罪を理由に毒酒を賜る。突然の死刑宣告に誰もが息をのむ。だがその瞬間、皇后が駆けつけて命乞いをする。しかし太后との押し問答の最中、皇后は倒れてしまう。
允賢は自らの危機も忘れ、皇后の診察に全力を尽くす。そして皇后の懐妊を発見したことで状況は一変する。皇室待望の皇子誕生の可能性に、太后も処罰を続けられなくなり、允賢は九死に一生を得る。
危機を乗り越えた郕王は、自分の未熟さを反省し、允賢に心から謝罪する。二人は再び信頼を取り戻し、皇后の胎児が安定したら郕州へ戻ることを誓い合うのだった。
第23話 それぞれの使命
英宗は皇后を傷つけそうになった自らの行動を深く悔やみ、酒に溺れていた。そんな彼を慰めようとした允賢だったが、酔いに任せた英宗はついに胸に秘めていた想いを吐露してしまう。
允賢は驚きながらも、郕王への愛情と皇后への友情を理由に、その気持ちを受け入れることはできないと伝える。彼女の毅然とした態度によって、英宗もまた現実を受け入れ、皇后こそが自分の人生を共に歩むべき相手だと悟る。
その頃、汪国公は太后を利用し、英宗を廃位する計画を着々と進めていた。しかし允賢はそのような陰謀を知らず、郕州へ帰る準備を進めていた。久しぶりに再会した父・杭綱は、恩ある英宗が苦境に立つ今こそ支えるべきだと説く。
父の言葉に心を動かされた允賢は、都に残る決意を固める。その考えを聞いた郕王もまた、自らの責任から逃げてはならないと悟るのだった。
一方、允賢は英宗と共に官修医学書の編纂計画を進める。庶民向けの薬膳書『太平薬膳方』を作り、多くの人々に健康知識を広めようと考える。だが程十三はその原稿を盗み、自らの著作として先に出版するという卑劣な行為に出る。
さらに郕王は瓦剌との馬交易交渉を成功させ、国政面でも大きな成果を挙げる。だが瓦剌使節団の来訪は、やがて大明を揺るがす大事件の前触れでもあった。
第24話 暴かれる過去
程十三が盗用した『太平薬膳方』は大きな評判を呼び、京城中で話題となる。真実を知った允賢は激怒し、程十三に抗議する。程村霞も叔父の行為を恥じ、允賢に許しを請う。
しかしこの騒動の中で、允賢は自らの祖伝薬「七珍帰元丸」の存在を口にしてしまう。その情報から程十三と汪国公は、允賢がかつて滅ぼされた譚家の娘であることに気付く。
かつて譚家の薬によって不妊となったと信じている太后は激怒し、允賢への憎悪を再燃させる。彼女は劉妃の流産事件を利用し、允賢に皇嗣殺害の罪を着せようとする。
絶体絶命の状況で英宗が駆けつけ、允賢を守ろうとするが、証拠は彼女に不利なものばかりだった。ところが追い詰められた劉妃が真相を告白し、黒幕が太后側であったことが明らかになる。
責任を押し付けられた程十三は処刑されることになるが、東廠の王振によって密かに救出される。彼からさらに太后派の秘密を聞き出そうというのだ。
一方で、允賢の『太平薬膳方』は正式に出版され、多くの民衆に歓迎される。ようやく彼女の努力が正当に認められる日が訪れるのであった。
第25話 再び動き出す権力闘争
太后の病は汪国公一派に大打撃を与えたが、老獪な汪国公はまだ諦めていなかった。彼は郕王を利用する新たな計画を立てる。
汪美麟はこれまでの高慢な態度を改め、か弱く健気な女性を演じ始める。その姿に郕王は同情を覚え、次第に彼女への警戒を緩めてしまう。汪美麟はその隙を逃さず、郕王の心に存在感を刻み込んでいく。
一方、東廠に囚われていた程十三は復讐心を燃やしながら脱出の機会をうかがう。彼の憎しみは太后、英宗、允賢のすべてへ向けられていた。
そんな中、瓦剌の使節団がついに入京する。太師・也先は朝廷で英宗を公然と軽視し、わざと太后にだけ敬意を示すことで両者の対立を煽る。太后と英宗の不和を見抜いた也先は、その亀裂を利用しようとしていた。
国政に疲れ果てた英宗にとって、允賢との語らいだけが心の支えとなっていた。しかし瓦剌側では、ある謎の軍師の助言により、大明攻略の準備が着々と進められていた。
その頃、郕州では郕王が允賢との結婚準備を進めていた。だが汪美麟もまた巧みに近づき続け、郕王の心に微妙な影響を与えていく。
やがて瓦剌軍は国境へ侵攻を開始する。激怒した英宗が出兵を命じようとしたその時、太后は太皇太后の遺詔を掲げて現れ、再び垂簾政治の復活を宣言する。群臣たちは一斉に太后へ従い、英宗の権威は失墜する。
怒りに駆られた英宗は、ついに太后が実母を害したという疑惑を公然と口にする。しかし誰も彼に味方することはなく、再び政治の主導権を奪われた英宗は深い絶望の中、自らを宮殿へ閉じ込めてしまうのだった。
















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