入青雲

入青雲

入青雲 21話・22話・23話・24話 あらすじ

入青雲 2025年 全36話 原題:入青雲

第21話の見どころ

ついに沐斉柏が妖獣軍を率いて反乱を起こし、極星淵は存亡を懸けた最終決戦へ突入します。明意は正体が露見する危険を承知で「鎮妖傘」の完成に挑み、紀伯宰も彼女を支え続けます。さらに、言笑と天璣公主の切ない恋のすれ違いも大きな見どころ。互いを想いながらも本心を隠し続ける二人の苦悩が胸を打ちます。そして祈夜節、沐斉柏が妖獣軍を率いて神君へ反旗を翻し、紀伯宰たちは極星淵の未来を守るため決戦へ挑みます。

第21話 あらすじ

明意は、沐斉柏が投獄されたとの知らせを受け、すぐに紀伯宰のもとを訪れる。しかし彼女の胸には拭いきれない不安が渦巻いていた。このまま事態が終わるとは思えず、何か大きな事件が起こる予感がしていたのである。

紀伯宰もまた同じ違和感を抱いていた。沐斉柏ほどの策士が、この程度で全てを失うはずがない。必ず何らかの切り札を残している――そんな嫌な予感が、彼の胸にも広がっていた。

その予感は、ほどなく現実となる。

沐斉柏の従獣・少逡は、主君への忠義を最後まで貫いていた。表向きは自ら罪をかぶり、沐斉柏を守るために投獄されたように見えていたが、それはすべて計画の一部だったのである。少逡は密かに己の血肉を妖獣へ捧げ、その力を増幅させていた。そして最後には、自ら沉淵へ身を投げ、生贄となることで妖獣軍を完全な存在へと変貌させる。

異変を知った紀伯宰たちが駆け付けた時には、すでに手遅れだった。莫大な妖力を手に入れた沐斉柏は妖獣軍を従え、誰にも止められぬまま姿をくらましてしまう。

紀伯宰は冷静に状況を分析し、沐斉柏は祈夜節を狙って極星淵へ総攻撃を仕掛けるつもりだと断言する。もはや残された時間は少なく、極星淵は総力戦への備えを急ぐこととなる。

明意もまた六境すべての平和を守るため、自ら危険を承知で動き始める。彼女は妖獣に対抗する切り札となる法器「鎮妖傘」の再製作を決意する。しかし、その技術は尭光山王族だけが持つ秘術であり、人前で披露すれば自身の正体が露見しかねない。

二十七は命懸けの決断に反対するが、明意は静かに首を振る。

「私一人の秘密より、多くの命を救う方が大切。」

その揺るがぬ覚悟に、二十七もそれ以上引き止めることはできなかった。

一方、天璣公主は言笑を呼び出し、沐斉柏の今後の動向を教えてほしいと頼み込む。しかし言笑はわざと冷たい態度を取り、「中途半端な覚悟なら、いっそ私に嫁ぎ、私が極星淵を支配した方がましだ」と辛辣な言葉を浴びせる。

その言葉に傷つきながらも、天璣は逃げなかった。

彼女は静かに言笑へ歩み寄り、その首へ腕を回すと、自ら唇を重ねる。

「あなたが望むなら、今すぐ結婚してもいい。」

それは政治ではなく、天璣なりの真心だった。しかし言笑には、自分を利用するための政略結婚の申し出にしか聞こえなかった。深く愛しているからこそ互いを傷つける言葉しか選べず、二人の距離はさらに離れてしまう。

そこへ孟陽秋が現れ、天璣をかばうように寄り添う。その姿を見た言笑は嫉妬と悲しみを胸に抱え、その場を静かに立ち去るのだった。

その後も明意は昼夜を問わず鎮妖傘の製作を続ける。紀伯宰は一歩も離れることなく彼女を見守り続け、その優しさに明意も何度となく救われる。

さらに霊脈を得たばかりで力の安定しない章台のため、明意は特別仕様の鎮妖傘まで作り上げる。

そんな二人の様子を、不休と二十七は複雑な表情で見守っていた。

「先に惚れさせたのは明意だ。」

「いや、最初に心を奪われたのは紀伯宰だ。」

互いに譲らぬ二人を見て、人生経験豊富な荀婆婆だけが微笑みながら静かに頷く。二人はもう、とっくに両想いなのだと。

その頃、明意は何度も遠回しに紀伯宰へ法器「余燼」を譲ってほしいと頼む。しかし紀伯宰は、彼女がまだ明献のことを気に掛けていると勘違いし、つい意地を張って「余燼はすでに壊した」と嘘をついてしまう。

その言葉に明意は深く傷つき、思わず涙ぐむ。

彼女の悲しそうな表情を見た紀伯宰はすぐに後悔し、自らの想いを改めて素直に打ち明ける。その真摯な言葉に、明意もまた心を動かされるのだった。

かつて妖獣を封じた「同心陣」は、互いの心が完全に通じ合う者同士でしか発動できない秘術であり、少しでも偽りがあれば術者は命を落とす。

明意は最後の切り札としてこの術を提案するが、紀伯宰は迷わず頷く。

「君となら、必ず成功する。」

その揺るぎない信頼が、二人の絆の深さを物語っていた。

一方、言笑は龍鯉台で一人、これまでの歩みを思い返していた。沐斉柏から約束された「異姓王」の地位。しかし彼はすでに紀伯宰と手を組み、沐斉柏を討つため、天璣との決裂すら演じていたのである。

その裏では、明心が逐水霊洲の神君・晁衡に謁見し、自ら先陣となって極星淵を討ち滅ぼす代わりに、太子の座を望むと申し出る。晁衡はその野心を歓迎し、血月戒を授けて支援を約束する。

そして迎えた祈夜節。

神君・沐源風が民とともに星の加護を祈る儀式を執り行う中、ついに沐斉柏が完成した妖獣軍を率いて襲来する。

彼は無数の民を人質に取り、兄へ退位の血書へ署名するよう迫る。

絶体絶命の瞬間――。

紀伯宰が颯爽と姿を現し、神君を救出。さらに仲間たちは事前に用意されていた解毒薬によって霊力を取り戻し、極星淵を守るため、妖獣軍との決戦の幕が切って落とされる。

 

第22話の見どころ

ついに紀伯宰と沐斉柏の因縁に決着が訪れ、暴走する妖獣軍との最終決戦が幕を開けます。極限の戦いの中、明意と紀伯宰は互いへの揺るぎない想いを証明する「同心陣」を発動し、世界を救うため命を懸けます。一方で、黄粱夢の封印が解かれ、紀伯宰は明意へ絶対の信頼を示します。しかし、明意は最後まで自らの正体を打ち明けることができず、幸せな時間の裏で大きな秘密を抱え続けます。戦いの終結と新たな時代の始まり、そして二人の愛と試練が交錯する感動の一話です。


第22話あらすじ

紀伯宰はついに沐斉柏との決着をつけるため、これまで積み重ねてきた公私の因縁を一気に清算しようと決戦に挑みます。しかし、妖獣の力を取り込んだ沐斉柏は想像を超える強敵となっており、紀伯宰でさえ苦戦を強いられ、徐々に追い詰められていきます。

その頃、大殿の外では司徒嶺をはじめとする仲間たちが妖獣軍を食い止めようと総力戦を展開していました。しかし、無数の妖獣を前に人々の力は及ばず、戦況は悪化の一途をたどります。一方、陰から戦況を見守る明心は、極星淵が妖獣軍によって壊滅し、明献も生き延びられないと確信し、不敵な笑みを浮かべます。

妖力に蝕まれ苦しむ弟・沐斉柏を目の当たりにした沐源風は、彼が妖獣と手を組んだ愚かさを涙ながらに責め立てます。沐斉柏は兄の弱腰こそ極星淵が上位三境へ進めなかった原因だと信じてきました。しかし沐源風は、逐水霊洲に従えば極星淵は傀儡となり、人々の自由も未来も失われると考え、あえて力より平和を選び続けてきたのでした。その真意を知った沐斉柏はようやく兄の苦悩を理解しますが、すべては手遅れでした。彼は妖力に完全に飲み込まれ、その身体は光となって消え去ります。

しかし、主を失った妖獣軍は暴走を始め、周囲の命あるものすべてを襲い始めます。この危機を前に、明意と紀伯宰は最後の手段である「同心陣」を発動することを決意します。この術は互いが真に心を通わせていなければ命を落とす危険な秘術でしたが、二人の揺るぎない愛は奇跡を起こします。眩い光が天地を包み込み、暴れ狂う妖獣たちは一つの巨大な赤い光球へと凝縮され、そのまま完全に封印されるのでした。

長きにわたり極星淵を脅かした妖獣の脅威はようやく去り、人々は勝利を喜び合います。しかし、その代償はあまりにも大きく、明意はすべての力を使い果たして倒れてしまいます。二十七は急いで彼女を部屋へ運び、必死に霊力を注いで治療しますが、明意の命を支える離恨花はすでに三枚の花びらを失い、残るのは最後の一枚だけとなっていました。

二十七は黄粱夢を手に入れて明意を救おうと紀伯宰のもとへ向かおうとしますが、明意はそれを止めます。紀伯宰が自分への愛を信じ切っている今、本当は黄粱夢を手に入れるために近づいたことを知られれば、彼を再び深く傷つけてしまうと考えたからでした。

やがて紀伯宰が明意のもとを訪れます。彼は彼女の身を案じながらも、自分の気持ちを素直に伝え、正式に夫婦となり共に歩みたいと告白します。しかし返事を急がせることはせず、「三日だけ考えてほしい」と優しく伝え、彼女の意思を尊重するのでした。

一方、司徒嶺は大殿で偶然「血月戒」を発見し、背後で新たな陰謀が動いていることを予感します。また、天璣公主は父・沐源風の看病を続ける中で、言笑が表向きは沐斉柏に従いながらも密かに父を守っていた事実を知ります。父から言笑の真意を聞かされた彼女は、これまで抱いていたわだかまりを少しずつ解きほぐしていきます。

その後、紀伯宰は明意を霊犀井へ案内し、亡き師の墓前で自ら黄粱夢の封印を解きます。それは過去の疑念をすべて捨て、明意を心から信じるという彼の決意の表れでした。

街では祈夜祭が開かれ、章台は流波谷の青年・鄭迢と親しくなります。さらに天璣公主は、霊脈を持つ女性へ強制されてきた隠魂釘の制度を廃止し、男女を問わず実力で斗者になれる新しい極星淵を築くことを宣言します。その姿を見た紀伯宰は、極星淵がようやく正しい未来へ歩み始めたことを実感します。

祭りの帰り道、明意は紀伯宰と肩を並べながら、自分にも尭光山の者として背負う宿命があることを静かに打ち明けます。紀伯宰はどんな未来が待っていても共に歩むと誓い、二人は穏やかな時間を過ごします。しかし無帰海へ戻った明意は、何度も真実を打ち明けようとしながら、紀伯宰の曇りない信頼を前に言葉を飲み込みます。愛する人を守りたい想いと、隠し続ける秘密との間で揺れる明意は、静かに胸を痛めるのでした。

 

第23話の見どころ

ついに結ばれた明意と紀伯宰。しかし、その幸せは一夜で崩れ去ります。命を救うため黄粱夢を盗まざるを得なかった明意は、愛する人を守るため自ら嘘をつき、紀伯宰は裏切られたと信じて黄粱夢と二人を結ぶ心印を自ら断ち切ります。さらに二十七は明意を救うため命を犠牲にし、その別れは涙なしでは見られません。一方、天璣と言笑は長年の誤解を解き、ようやく互いの想いを確かめ合います。愛する者を守るための嘘が、あまりにも切ない悲劇を生む衝撃の一話です。


第23話あらすじ

妖獣軍との激戦を乗り越えた明意と紀伯宰は、ようやく訪れた穏やかな夜を共に過ごします。互いへの想いはもはや抑えきれず、二人は心も身体も結ばれ、ついに夫婦として真実の愛を確かめ合います。翌朝、眠る紀伯宰の穏やかな寝顔を見つめる明意は、胸が張り裂けそうな苦しみを抱えていました。紀伯宰は亡き師・博語嵐に「黄粱夢を決して世に出さない」と誓っており、その誓いを破らせたくはありません。しかし、自らの命を救うには黄粱夢がどうしても必要でした。

苦悩の末、明意は二十七とともに霊犀井へ忍び込み、誰にも知られぬよう黄粱夢を持ち出す決意をします。かつて彼女が紀伯宰へ贈った酒「心悦君兮」は、二人の想いを象徴する特別な酒でした。そして紀伯宰は、その黄粱夢を酒へと姿を変え、大切に守っていたのです。

明意は苦労の末に黄粱夢を見つけ出しますが、手にした瞬間、霊犀井は激しい炎に包まれます。その異変を察知した紀伯宰が駆けつけ、そこで目にしたのは、最も信じていた明意が黄粱夢を奪おうとしている姿でした。

二十七は主人を守るため紀伯宰へ立ち向かいますが、実力差は歴然でした。明意は二十七を守るために霊力を振り絞り、さらに紀伯宰を突き放すように「あなたを愛したことなど一度もない」と嘘を口にします。愛する人を守るための偽りの言葉でしたが、その一言は紀伯宰の心を深く引き裂きます。

絶望した紀伯宰は、自ら黄粱夢を完全に破壊し、二人を結んでいた心印も断ち切ります。互いに信じ合っていた絆は、その瞬間に無残にも砕け散りました。

黄粱夢を失ったことで、明意の命を支える離恨花はついに最後の花びらまで散ってしまいます。死が目前に迫る中、二十七は迷うことなく自らの命を捧げる決断をします。主人を救うため、自身の修為をすべて明意へ注ぎ込み、最後の一枚の花びらを咲かせることに成功します。しかし、その代償として二十七は静かに消滅してしまうのでした。

最愛の従獣を失った明意は深い悲しみに包まれ、そのまま意識を失います。そこへ司徒嶺が駆けつけ、散りゆく二十七の神識を鈴へ封じ込めた後、明意を抱えてその場を離れます。少し遅れて霊犀井へ辿り着いた紀伯宰は、司徒嶺が明意を連れ去る姿だけを目にし、明意が最初から黄粱夢だけを目的に自分へ近づいたのだと完全に思い込んでしまいます。

無帰海へ戻った紀伯宰は、一人静かに部屋へ閉じこもります。明意と過ごした幸せな日々を思い返すたび、そのすべてが計算された偽りだったと思えてしまい、何も口にせず、生気を失ったように座り続けるのでした。

一方、不休は沐心柳が残した告発文を調査し、その内容が術によって改ざんされていた事実を突き止めます。紀伯宰が術を解くと、そこには上位三境が離恨天と密かに結託している証拠が記されていました。すべての黒幕は逐水霊洲にあると悟った紀伯宰は、悲劇を繰り返さないためにも晁衡を止めなければならないと決意を新たにします。

その頃、章台の家では司徒嶺が昏睡状態の明意を懸命に看病していました。佘天麟の助力によって逐水霊洲の秘術が施され、司徒嶺は自らの血を代償として離恨花の暴走を一時的に抑え込みます。そして彼は、自らの正体とこれまで隠してきた真実を明意へ打ち明けるのでした。

司徒嶺は紀伯宰から黄粱夢を手に入れようと考えますが、目を覚ました明意はそれを必死に止めます。すでに黄粱夢は存在せず、これ以上紀伯宰を傷つけたくないという想いがあったからです。

一方、天璣は言笑が長年、自らの血で亡き母の福星花を育て続けていた事実を知ります。宮中で再会した二人は胸の内を率直に語り合い、天璣は「恨んでいたのは距離を置かれたことではなく、一人で苦しみを抱え込み続けたことだった」と本心を明かします。言笑もまた、自分の不器用さを認めて謝罪し、二人は涙ながらに抱き合い、長年の誤解をようやく解消するのでした。

それでも明意の心には、二十七を失った悲しみが重く残ります。しかし、鈴に宿るわずかな神識を見た佘天麟は、主人と従獣は命を分かち合う存在であり、明意の霊脈が完全に再生すれば、二十七も再びこの世へ戻れる可能性があると告げます。その言葉は、絶望の中にいた明意へ、かすかな希望の光をもたらすのでした。

 

第24話の見どころ

明意の命を救うため、新たな希望となる『博氏医経』を巡る争奪戦が始まります。紀伯宰は沈淵を完全に封印する決断を下す一方、明意は誰にも迷惑をかけまいと一人で危険な地へ向かいます。すれ違い続ける二人ですが、紀伯宰はなお明意を見捨てることができません。また、逐水霊洲との決戦を前に極星淵の仲間たちも覚悟を固め、物語はいよいよ最終局面へ突入します。誤解と信頼、そして迫り来る大戦が交差する、緊張感あふれる重要エピソードです。


第24話あらすじ

天璣は紀伯宰を呼び出し、今後の極星淵の方針について話し合います。落ち着いた様子の紀伯宰を見た天璣は、すでに彼が今後の道筋を考え抜いていることを察します。紀伯宰は、後照の自首を受けて司判堂が迅速に動き、沈淵に囚われていた無実の囚人たちはすべて救出され、安全な場所へ移されたことを報告します。しかし、人の命を喰らう食霊樹が存在する沈淵そのものは、このまま残しておけば再び災いの火種になると判断しました。そこで紀伯宰は守備兵を撤退させた後、自ら術を施して食霊樹を封印し、沈淵そのものを消滅させる決意を示します。天璣もその覚悟を受け止め、全面的に賛同するのでした。

一方、浮月は司徒嶺が再び自らの身を削って明意を救おうとしている姿を見て胸を痛めます。しかし司徒嶺は迷いなく明意のために命を懸けようとしていました。浮月は黄粱夢について調べる中で、晁羽の側近を買収し、二十二年前に起きた重大な真実を知ります。

それは逐水霊洲の神君・晁衡が博氏一族を滅ぼすため密かに討伐軍を送り込み、章尾山にあった博氏の屋敷から『博氏医経』上巻を奪っていたというものでした。一族は大火によって壊滅し、奪われた医経は沐斉柏へ渡され、沈淵で秘薬を作るため利用されていたのです。一方、下巻は博氏姉妹が持ち出したまま行方知れずとなっていました。

司徒嶺は下巻が今も博氏の旧宅に眠っている可能性が高いと推測します。しかし屋敷には博氏の血を引く者しか入れない結界が張られており、現在その資格を持つのは紀伯宰ただ一人でした。この事実を明意へ伝えた司徒嶺は、自分は沈淵へ向かい上巻を探し出すと決意します。

しかし明意は、自分のために皆を危険へ巻き込みたくありませんでした。置き手紙だけを残し、一人で命を救う方法を探す旅へ出ます。手紙を読んだ司徒嶺は慌てて後を追い、章台もすぐに紀伯宰へ連絡して明意を探してほしいと頼みます。

その頃、明意は体力の限界を迎え、森の中で倒れていました。駆けつけた紀伯宰は彼女を見つけ、小さな山小屋へ運んで介抱します。黄粱夢を巡る裏切りによって深く傷ついていた紀伯宰でしたが、衰弱した明意を前にすると、どうしても見捨てることはできませんでした。

意識を取り戻した明意に紀伯宰は家を出た理由を尋ねます。しかし明意は本当の目的を明かせず、話の流れで明献が毒に侵されていることを口にしてしまいます。その言葉を聞いた紀伯宰は、自分に近づいた理由は最初から明献を救うためだったのだと思い込み、激しい怒りと失望を抱えたまま立ち去ってしまいます。

章台は紀伯宰からの連絡を受け、明意を自宅へ連れ帰って看病します。その中で、明意こそ尭光山の太子・明献本人だったという驚くべき真実を知ります。しかし章台は怒るどころか、明意が何度も命懸けで仲間を守ってきた姿を思い返し、彼女が極星淵を裏切ろうとしたことは一度もないと信じます。そして、これからは自分が明意を守ると固く誓うのでした。

一方、寿華泮宮では斗者たちが訓練を終え、逐水霊洲との決戦を目前に控えていました。孟陽秋、言笑、若き晨曦らも出陣を控えますが、百年以上の歴史と圧倒的な力を誇る逐水霊洲を相手に、不安を隠せません。

そんな中、紀伯宰が姿を現すと、仲間たちの士気は一気に高まります。沐源風は晁衡が長い歳月の中で数多くの秘術を蓄えてきたことを案じますが、紀伯宰は「戦う前から恐れれば、その時点で負けだ。運命は従うものではなく、自ら切り開くものだ」と力強く語ります。その言葉に勇気づけられた沐源風は、天璣へ極星淵軍の指揮を託す決断を下します。

その頃、尭光山では明心が新たな皇太子に立てられたとの報が届きます。章台は落ち込む明意を励まし、尭光山が戦いに参加する以上、誰かがその代表となるのは避けられなかったと諭します。

司徒嶺は明意が決して人を頼らない性格であることを理解し、沈淵の詳細な地図を託すとともに、医経探索には必ず同行したいと申し出ます。また佘天麟は、明意が吐血する姿を見て容体の悪化を悟り、決して霊力を使わないよう忠告します。そして護身用の連弩へ自ら霊力を込め、万一に備えるのでした。

その後、晁宣も配下を率いて沈淵へ侵入し、『博氏医経』を狙います。そこで司徒嶺と遭遇した晁宣は容赦なく襲い掛かりますが、司徒嶺は倒れたふりをして油断を誘い、隙を突いて反撃します。

同じ頃、食霊樹を封印していた紀伯宰は沈淵の異変を察知し、急ぎ現場へ駆けつけます。そこで彼が目にしたのは、晁宣の部下に傷つけられながらも必死に立ち向かう明意の姿でした。紀伯宰は迷うことなく彼女を守るため剣を抜き、再び二人の運命は大きく動き始めるのでした。

 

入青雲 25話・26話・27話・28話 あらすじ

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