九重紫

九重紫

九重紫 30話・31話・32話・33話・34話(最終回) あらすじ

九重紫 2024年 全34話 原題:九重紫

第30話の見どころ

窦昭と宋墨が、定国公冤罪事件の真相と皇后・庆王の謀反計画へと迫る重要回です。窦昭は太子妃の懐妊や侍女・王格の正体に気づき、宋墨は太子と手を組むことで朝廷を変えようと動き始めます。一方、皇帝の中毒には万皇后が関与していたことが明らかに。さらに栖霞の証言から、定国公が残した謎の手紙の存在が浮上します。愛する窦昭を誰にも渡したくない宋墨の嫉妬も描かれ、緊迫と夫婦愛が交錯する一話です。

第30話あらすじ

寺から苗安素とともに戻ろうとしていた苏琰は、偶然にも窦昭の髪に挿された銀の簪に目を留めます。その簪を見た瞬間、何かを確信した苏琰は窦昭を追いかけ、簪の出所を尋ねます。窦昭は、以前助けた母子から礼として贈られたものだと説明します。すると苏琰は自分が持っていたもう一本の簪を取り出します。二つを合わせると対になっていることが分かり、その母子こそ、自分が長年探していた母と弟であることが判明します。

窦昭に案内されて母子のもとへ向かった苏琰は、眠っている二人を起こすことをためらいます。しかし母親の声に呼び止められ、ついに親子は再会。涙を流して抱き合い、窦昭にも深く感謝します。苏琰もまた、窦昭から受けた恩を決して忘れず、必ず報いると心に誓います。

一方、宮中では元宵節の宴が近づき、宋墨は庆王の動向を探ろうとしていました。窦昭は、庆王を制するには太子側との協力が必要だと考えます。そこで太子妃から宮宴の相談を受けた機会を利用し、宮中の状況を探ることにします。

太子妃と接する中で、窦昭は彼女が魚の匂いに強く反応することから、妊娠している可能性に気づきます。しかし、その場にいた侍女・王格の腕に刻まれた特徴的な刺青を見て、窦昭は警戒します。前世の記憶では、王格こそ宋墨に弓を向けた人物だったからです。さらに太子妃が体調を崩すと、窦昭はすぐに治療を施し、王格の妨害を退けます。

同じ頃、狩場では庆王が太子を挑発し、二人は激しい争いになります。宋墨は金吾衛を遠ざけ、兄弟の会話を誰にも聞かせないようにしますが、二人が本気で殴り合い始めたため、やむなく双方を殴って争いを止めます。

事態を収めるため、皇后は自ら責任を負い、皇后の座を退く代わりに庆王を庶民にしてほしいと皇帝に願い出ます。しかし皇帝はすぐには決断しません。庆王を処分すれば、朝廷の均衡を保つために必要な宋墨まで失う可能性があるからです。

その後、宋墨は太子に対し、民を大切にする皇帝になるのであれば自分が支えると伝えます。ただし、その条件として、かつて冤罪を着せられた定国公の名誉を回復し、真実を天下に明らかにすることを要求します。太子は皇家の面子を守るために難色を示しますが、太子妃は宋墨の意見を支持し、二人の協力関係を後押しします。

さらに皇帝の側近である汪公公から、定国公事件の真相が語られます。皇帝は定国公が無実だと知っていながら、万皇后の進言によって罪を着せていたのです。しかも皇帝自身が長年中毒状態にあり、万皇后は解毒薬にまで毒を混ぜ、皇帝の病を治させないようにしていました。

この事実から、宋墨は真に謀反を企てているのは庆王だけではなく、背後にいる万皇后こそが黒幕だと推測します。万皇后もすでに計画が露見しつつあることを察し、庆王に対して「もう芝居を続ける必要はない」と告げ、ついに本格的に動き出す決意を固めます。

一方、窦昭は皇帝が長期間、毒と薬を同時に与えられているため、急に薬を止めれば命に関わることを指摘します。真相を知りながら皇帝が公にできなかった理由も、そこにありました。

そんな中、窦昭は栖霞の記憶を取り戻そうと、かつて暮らしていた屋敷へ彼女を連れて行きます。栖霞の断片的な記憶から、蒋蕙荪が亡くなる前、九種類もの薬を必要としていたことが分かります。そして宋墨が定国公から届いた手紙について尋ねると、栖霞は突然取り乱し、その手紙を求めます。

窦昭は偽物の手紙を渡して反応を確かめます。すると栖霞は、喜びに満ちた表情で「定国公から手紙が届いた」と蒋蕙荪に伝えようとします。実はその手紙には特殊な仕掛けがあり、乾いた状態では文字が見えず、水を含ませることで初めて内容が浮かび上がるものでした。

蒋蕙荪は手紙を隠すことが難しいと判断し、逆に誰もが目にする場所へ貼るよう栖霞に命じていたのです。定国公が残したこの謎の手紙には、冤罪事件を覆す重大な秘密が隠されている可能性が高まります。

一方、宋墨は太子との協力を進めるものの、帰宅途中からどこか不機嫌な様子を見せます。太子が窦昭を褒めたことが気に入らず、窦昭に「次からは目立たない黒い服を着てほしい」と頼みます。しかし、黒い服を着ても窦昭なら美しく見えると自分で気づき、嫉妬心を抑えられなくなった宋墨は、ついに馬車を降り、街中で窦昭を抱き上げます。

誰にも窦昭を奪われたくない――そんな宋墨の強い愛情が表れる一方、彼は自分の病を乗り越え、窦昭を守る力を取り戻したいと願います。

その頃、苗安素は宋翰とともに弟・安平を葬ります。宋翰は自分が重要な軍職に就いたことを誇らしげに語り、京の情勢がすでに戦場のように変わりつつあることを匂わせます。

そして最後に、皇帝は汪公公から薬を受け取り、何のためらいもなく飲み干します。すべての真相を悟った皇帝は、これから訪れる運命を静かに受け入れようとしていました。

定国公の謎の手紙、万皇后の陰謀、庆王の謀反、そして皇帝の毒――。すべての伏線が一本につながり始め、第30話は次なる朝廷の大波乱へ向けて大きく動き出します。

 

第31話の見どころ

定国公が残した手紙から、皇后と庆王につながる巨大な汚職の構図が明らかになります。窦世英まで事件に巻き込まれ、窦昭は父を救うため奔走。一方、宋墨は庆王の罠にはまり、宮廷で皇族を敵に回してまで窦世英を庇います。しかし皇帝は宋墨を罷免し、昭獄へ送るという厳しい決断を下すことに。窦昭が倒れ、宋墨が必死に駆け寄る場面は胸を打ちます。さらに王格が宮中の実権を握り、宋翰まで窦昭を追い始め、事態は一気に緊迫します。

第31話あらすじ

雪が降りしきる夜、栖霞は定国公から届いた重要な手紙を安全に隠す場所を探していました。そして一枚の山水画に目を留め、その裏側へ手紙を貼り付けます。一見するとただの絵にしか見えないため、誰にも気づかれないはずでした。

やがて栖霞の記憶が少しずつ戻り、彼女はその絵を思い出します。急いで絵を取りに行き、宋墨のもとへ持っていくと、そこには水を含ませることで浮かび上がる特殊な文字が隠されていました。

そこに記されていたのは、定国公が辽东で発見した官員たちによる巨額の横領事件の証拠でした。定国公は不正を皇帝に直接報告するため、京へ戻ろうとしていたのです。栖霞はこの重大な秘密を守るため、絵をあえて人目につきやすい廊下に飾っていたのでした。

しかしさらに衝撃的な事実が判明します。栖霞は偶然、宋翰と宋宜春の会話を耳にします。そこでは、宋宜春が蒋蕙荪の死に関わっていたことが明らかになっていました。宋翰から問い詰められた宋宜春は、舒瑶をこれ以上苦しませないためだったと弁明します。栖霞はその事実に大きな衝撃を受けます。

一方、定国公の手紙から横領に関与した人物の一覧を確認した宋墨は、その中に窦世英の名前があることに気づきます。窦昭も父が庆王一派と直接つながっているとは信じられず、何か裏があるのではないかと疑います。

二人が窦世英を訪ねると、彼はある商店と契約を結び、そこへ投資して利益を得ていたことが分かります。しかもその事業には窦世枢や沐阁老も出資していました。窦世英自身は確実に儲かる商売だと思っていただけで、まさか朝廷の権力争いと結びついているとは考えていませんでした。

しかし宋墨は、その店を実際に管理しているのが皇后の一族であり、契約そのものが皇后一派によって仕組まれた可能性を指摘します。庆王の謀反計画までつながっていることを知った窦世英は、自分だけでも辞官して家族を守ろうとします。

しかし宋墨は、辞職しただけでは関係を断ち切れないと判断します。窦世英は自分の岳父であり、窦昭は自分の妻。敵対勢力から見れば、窦家そのものが宋墨の弱点になるからです。窦昭は父を救うため、自分が契約問題を処理すると申し出ます。

窦昭は銀楼を訪れ、店主の魏廷珍に契約書を買い戻したいと申し出ます。しかし魏廷珍は魏廷瑜の死を窦昭のせいだと恨んでおり、たとえ倍額を提示されても応じません。窦昭は今ならまだ譲歩する余地があると警告しますが、魏廷珍は彼女の未来には大きな波乱が待っていると不敵に言い放ちます。

その頃、纪咏は庆王の命を受け、陈嘉を取り込もうとしていました。最初は利益を提示し、それでも拒否されると、赵璋如の命を盾にして脅迫します。しかし陈嘉は決して屈服しません。

一方、窦世枢は宋墨を銀楼へ招きます。しかしそれは茶会などではなく、庆王が待ち構える罠でした。庆王は宋墨に解毒薬を与える代わりに、自分に忠誠を誓うよう迫ります。しかし宋墨は、真の敵は秦桧のような臣下ではなく、その背後にいる君主自身なのだと語り、庆王の誘いを拒絶します。

庆王は宋墨を殺すよう命じますが、宋墨は反撃し、庆王を人質として拘束します。そして契約書が隠されている密室を発見します。

ところが庆王は逆に宋墨へ皇子殺害の罪を着せ、周囲に潜ませていた兵たちに宋墨を殺させようとします。宋墨は毒の影響もあって吐血し、反撃する力を失いかけます。その瞬間、窦昭と汪公公が皇帝の勅命を携えて現れ、全員を宮中へ連行します。

皇帝の前には皇族の長老たちも集まり、庆王を庇おうとします。契約書はすでに皇帝の手元にあるため、簡単には動けません。そこで彼らは窦世英にすべての罪を負わせ、宋墨を救おうとします。

しかし宋墨はそれを拒絶します。自分がすべての責任を引き受けると宣言し、さらに定国公が冤罪に陥った事件も、背後で誰かが操っていたのだと皇族を激しく追及します。

その姿を見た皇帝は、若き日の定国公の面影を宋墨に重ねます。そして宋墨が自分を深く憎んでいることを悟った瞬間、皇帝は突然吐血します。

窦昭は宮殿の外で必死に待ち続けます。しかし下された勅命は、宋墨の官職をすべて剥奪し、昭獄へ収監するというものでした。

宋墨が連行される姿を見た窦昭は悲しみのあまり倒れてしまいます。宋墨は自分も連行される身であることを忘れ、押さえつける兵を振り切って窦昭のもとへ駆け寄ります。そして彼女を抱き上げ、必死に太医を探します。

その後、纪咏は窦昭を守るため、彼女を安全な場所へ連れて行きます。一方、汪公公は密かに寺へ向かい、ある匣に入った重要な物を守るよう祈願します。

しかし宮中へ戻った汪公公を待っていたのは、さらに不穏な変化でした。大内を掌握する人物が王格へと変わっていたのです。

さらに宋翰も窦昭の行方を追い、兵を率いて纪咏のもとへ向かいます。しかし纪咏は冷静に宋翰を牽制し、庆王が命じたのは宋墨への対処であり、まだ罪が確定していない段階でその家族まで皆殺しにするのは筋が違うと指摘します。

宋墨は官職と自由を失い、窦昭も追われる身となりました。皇帝の宮中では王格が実権を握り、庆王と皇后の陰謀はついに表舞台へ。窦昭と宋墨の夫婦を取り巻く危機は、これまで以上に深刻な局面へ突入します。

 

第30話の見どころ

窦昭と宋墨が皇位を巡る巨大な陰謀の核心へと迫る第30話。窦昭は太子妃の懐妊と侍女・王格の正体に気づき、宋墨は太子と手を組み、定国公冤罪事件の真相を追います。やがて、皇帝を毒で操る万皇后こそが真の黒幕だと判明。さらに、栖霞の記憶から定国公の隠された書簡へつながる重要な手掛かりも浮上します。愛する窦昭を守ろうとする宋墨の嫉妬も描かれ、夫婦の絆と宮廷の緊張が一気に高まる一話です。

第30話あらすじ

寺から苗安素とともに戻ろうとしていた苏琰は、ふと窦昭の髪に挿された銀簪に目を留めます。なぜか強く心を惹かれた苏琰は窦昭のもとへ駆け寄り、その簪を手に取って出所を尋ねます。窦昭が、以前助けた母子から感謝の印として贈られたものだと説明すると、苏琰は懐からもう一本の銀簪を取り出します。二本を並べると、それは対になった簪でした。窦昭の案内で母子のもとを訪れた苏琰は、そこで長年離れ離れになっていた母と弟との再会を果たします。涙ながらに抱き合う親子を前に、苏琰は窦昭への恩を決して忘れないと心に誓います。

一方、窦昭と宋墨は、まもなく開かれる宮宴を利用して庆王の動向を探ろうとしていました。窦昭は太子妃から宮宴の準備について相談を受け、巧みに采配を振るいます。ところが食事の最中、太子妃が突然吐き気を催します。窦昭はすぐに妊娠を察知しますが、その際、侍女・王格の腕に刻まれた刺青を目にします。それは前世で宋墨に矢を放った人物の特徴と一致していました。窦昭は警戒を強めながらも、太子妃の体調を救います。

同じ頃、宋墨は太子や庆王と狩りに同行します。庆王は太子を挑発し、二人は激しく衝突。宋墨は側近たちに会話を聞かせないよう命じながら、最終的には二人を殴って強引に止めます。皇后は庆王を守るため、自ら皇后の座を退く覚悟まで示しますが、皇帝はそれを認めません。庆王を処分すれば、朝廷の均衡を保っている宋墨まで失う危険があるためです。

その後、宋墨は太子に対し、将来即位して民を大切にするのであれば、自分は太子のために働くと告げます。ただし条件は、定国公の冤罪を正式に晴らし、天下に真相を明らかにすることでした。太子は皇家の面子を傷つけることになるとして躊躇しますが、太子妃は宋墨の意見を支持し、二人の手を取って協力を成立させます。

やがて太子夫妻は、定国公事件の裏事情を明かします。当時、重病だった皇帝に代わり、太子が将来の朝廷を背負うことになっていました。しかし、当時の太子には天下を掌握する力が足りないと判断され、定国公を一度罪人として都へ呼び戻し、釈放後に自分のために働かせる計画が立てられていたのです。ところが、その途中で予想外の事件が起き、定国公は本当に罪人として扱われることになってしまいました。

さらに汪公公から、衝撃的な真実が伝えられます。皇帝は定国公が無実だと知りながら、万皇后的進言によって処分していたのです。しかも皇帝は長年、毒と解毒薬を同時に与えられており、急に薬を止めれば命を落とす危険がある状態でした。宋墨はついに、定国公を陥れた本当の黒幕が万皇后だと悟ります。

万皇后の宮中では、庆王が母に跪き、今回の騒動について謝罪していました。しかし万皇后は息子を責めるどころか、すでに時が来たと告げます。皇帝に飲ませてきた「怨憎会」の毒も、まもなく限界を迎える頃。万皇后は、これ以上取り繕う必要はないと判断し、ついに本格的な行動へ移ろうとします。

一方、窦昭と宋墨は定国公が蒋蕙荪へ送った一通の手紙に注目します。庆王一派がその手紙を強く警戒していることから、そこには決定的な証拠が隠されていると考えたのです。宋墨は太子に協力する代わりに、定国公の名誉を必ず回復させるよう迫ります。

その帰り道、宋墨は太子が窦昭を褒めたことを気にして、珍しく嫉妬を露わにします。「次からは目立つ服を着るな」と言い出したものの、窦昭なら黒い服でも人目を引くと気づき、結局は自ら彼女を抱き上げて帰る始末。残された時間が少ないことを知る宋墨は、窦昭を誰にも奪われたくないという思いを隠せなくなっていました。

その頃、苗安素は宋翰とともに弟・安平を弔います。宋翰は自分がすでに腾翔卫の指揮使となり、宋墨にも劣らない地位を得たことを告げます。苗安素は京城の不穏な空気を感じ取ります。

そして栖霞の記憶にも大きな変化が訪れます。窦昭は彼女をかつての屋敷へ連れて行き、当時の記憶を呼び戻そうとします。栖霞は、蒋蕙荪が病に伏した際、九種類の薬を使っていたことを思い出します。さらに「手紙」という言葉を聞いた瞬間、激しく反応します。

窦昭が偽の手紙を渡すと、栖霞はそれを手にして蒋蕙荪のもとへ走り、定国公からの手紙が届いたと喜びます。しかし、その手紙には特殊な仕掛けが施されていました。乾いた状態では文字が見えず、水を含ませることで初めて秘密の文面が浮かび上がるのです。

蒋蕙荪はその重要性を理解し、栖霞に隠すよう命じます。しかし、隠すことが危険だと判断し、逆に誰も疑わない場所、つまり人目につく場所へ貼るよう指示していました。

定国公の書簡、蒋蕙荪の死、皇帝の毒、そして万皇后の陰謀――。これまで別々に見えていた事件が、一本の線へとつながり始めます。窦昭と宋墨は、まもなく宮廷を揺るがす巨大な真実と正面から向き合うことになります。

 

第33話の見どころ

宮廷を揺るがす反乱がついに勃発する第33話。皇后と庆王が周到に仕掛けた宮変に対し、窦昭は罠を見抜き、苏琰や陈嘉とともに反撃へ。窦昭の説得によって缉影衛も正義の側に立ち、宋墨率いる定国軍も間一髪で駆けつけます。一方、宋翰は苗安素への愛と野望の間で揺れ動き、最後まで決断を迫られることに。さらに、毒に苦しむ宋墨と窦昭の深い愛情も描かれ、緊迫と感動が交錯する一話です。

第33話あらすじ

誕生日を迎えた苗安素のもとへ、宋翰が突然駆け込んできます。京中を走り回って選んだという美しい首飾りを彼女に贈り、婚後初めての誕生日を祝う宋翰。そのまま苗安素を強く抱きしめ、二人は互いの愛を確かめ合います。

しかし、苗安素の心には拭い去れない疑念が残っていました。彼女は安平の死に宋翰が関わっていることを知り、どうにか彼を正しい道へ戻したいと願います。そこで、何か隠していることはないかと尋ねます。宋翰は真実を明かすことなく、自分は過ちを犯したことがあるとだけ認め、苗安素のためなら変わると約束します。

苗安素はその言葉を信じたいと思いながらも、宋翰の本質にある野心と危うさを感じ取っていました。それでも、すでに彼を深く愛してしまった彼女には、簡単に離れることはできません。眠りについた宋翰を見つめながら、苗安素は彼が本当に変わってくれることを静かに祈ります。

一方、皇帝が目を覚ますと、皇后は一杯の丹薬を差し出します。方士が作った薬だと説明しますが、皇帝はすぐには口にしません。司礼監がすでに王格に掌握され、薬に反対していた卢院判まで故郷へ戻っていることから、薬の裏に何かあると察していたのです。

皇帝は若き日の皇后を思い出します。当時の彼女は活力に満ち、朝廷で自らの才能を発揮することを夢見る女性でした。しかし皇帝が太子を先皇后に育てさせたことは、皇后の心に深い不満を残していました。

皇后は幼い頃から家族に重視されず、それでも男子のような志を抱き、科挙を受けて官途に就くことさえ夢見ていました。皇帝と出会ったことで政治に関わる機会を得たものの、権力を与えられたからこそ、その力を自分で握りたいという欲望も強くなっていったのです。

皇帝が武周のような混乱を再び起こさないために遺詔を残そうとしたことも、皇后にとっては自分への束縛にしか感じられませんでした。ついに彼女は、皇帝への恩を忘れたかのように、自分と一族のためにさらなる権力を手に入れる決意を固めます。

その頃、庆王は宮変の準備を着々と進め、宋翰にも協力を求めます。宋翰は自らの価値を理解しているため、簡単には従わず、成功後には異姓王に封じるよう要求。庆王は不満を抱きながらも条件を受け入れます。

しかし庆王から「苗安素を始末しろ」と命じられると、宋翰の表情が変わります。彼にとって苗安素は単なる利用価値のある女性ではなく、心から愛する妻になっていたからです。庆王は宋翰の迷いを見抜きながらも、それ以上は追及せず、十五日に宮変を起こすことを決めます。

宋翰は苗安素を宮変から逃がそうとしますが、苗安素は両親とともに安平の遺骨を福亭へ送り届けることを決意。宋翰は仕方なく、元宵節が終わったら戻るよう伝えます。その胸中では、宮変が成功した後に苗安素を迎え、二人で新たな人生を始める計画が渦巻いていました。

その一方で、宋墨の病状は急激に悪化していました。部屋に閉じこもり、誰が呼びかけても応じません。窦昭は毒が発作を起こしていると察し、強引に部屋へ入ります。

そこで彼女が目にしたのは、苦しみながら髪がほとんど白くなった宋墨の姿でした。薬を飲ませようとする窦昭に対し、宋墨は理性を失いかけ、彼女の首を絞めそうになります。しかし寸前で自分を取り戻し、部屋から飛び出してしまいます。

窦昭は薬を自ら口に含み、宋墨を追いかけます。そして自分の口から宋墨へ薬を与え、何とか毒の発作を抑えることに成功します。苦しみから解放された宋墨は、雨夜に初めて窦昭と出会った日のことを思い出します。二人はこれまで歩んできた時間を振り返り、残された時間をともに生き抜く決意を新たにします。

ところがその頃、皇后から窦昭に宴への招待状が届きます。窦昭は罠だと理解しながらも、逃げることなく宴へ向かいます。西洋から届いた珍しい品を贈り、舞を披露するなど、表面上は余裕を見せながら、周囲を慎重に観察します。

やがて皇后の言葉に不穏な気配が漂い、突然、兵士たちがなだれ込んで宴の女性たちを拘束します。皇后はすべてが計画通りだと勝ち誇りますが、窦昭は冷静に自分が用意した時計へ視線を向けます。

次の瞬間、時計の周囲で爆発が起こり、混乱に乗じて苏琰が現れます。苏琰は皇后を制圧し、窦昭とともにその場から脱出。しかし王格が兵を率いて追跡し、「宋墨はすでに死んだ」と嘘をつきます。窦昭が一瞬動揺した隙を狙い、王格は弓弩で苏琰を撃ち、捕らえてしまいます。

皇后は窦昭の殺害を命じますが、そこへ陈嘉が現れ、王格を攻撃。窦昭はこの機会を逃さず、缉影衛たちに「権力者の争いの道具になってはいけない」と訴えます。

窦昭の言葉は兵士たちの心を動かしました。彼らは陈嘉とともに城門を守り、庆王軍の侵入を阻止することを決断します。

その頃、宋墨も定国軍を率いて急行していました。宮城へ迫る宋翰と庆王の前に宋墨が立ちはだかり、ついに兄弟と反乱軍が正面から激突します。

一方、苗安素は窦昭から届いた手紙を受け取ります。福亭へ向かうよう見せかけながら、実際には定国軍へ重要な情報を届けるために動き出します。愛する宋翰が反乱側にいると知りながらも、苗安素は自らの信念を貫く道を選びます。

宮城周辺では激しい戦闘が繰り広げられ、双方が死力を尽くしてぶつかり合います。しかし宋墨率いる定国軍は、皇宮と民を守るという強い意志を失いません。

ついに定国軍は反乱軍を撃破し、宮城を守り抜くことに成功します。こうして庆王と皇后が周到に準備してきた宮変は、窦昭、宋墨、陈嘉、そして定国軍の奮闘によって阻止されるのでした。

しかし、反乱は終わっても、皇后の陰謀、皇帝の毒、定国公の冤罪、そして宋翰の野望はまだ決着していません。宮廷の真の黒幕との最終対決へ向け、物語はさらに大きく動き始めます。

 

第34話(最終回)の見どころ

ついに庆王の謀反が最終局面を迎え、窦昭と宋墨が命を懸けて皇宮を守る激戦が描かれます。皇帝は紀咏を密かに庆王の陣営へ送り込んでいた真相を明かし、すべてが皇帝によって仕組まれた大計だったことが判明。さらに宋墨は定国公の名誉回復を願い出る一方、自らの残された時間を悟り、窦昭との未来を望みます。そして宋翰と苗安素にも悲しい結末が訪れ、最後には新たな時代と窦昭・宋墨の穏やかな幸福が描かれる感動の最終話です。

第34話(最終回)あらすじ

窦昭は急いで皇帝の寝宮へ向かい、弱り切った皇帝の脈を診る。そこで机の上に置かれた眼鏡を見つけ、それが紀咏の残したものだと気づく。紀咏から教わった「鬼門十三針」の意味や、これまでの不可解な言動を思い返した窦昭は、ついにすべての真相へとたどり着く。そこへ汪公公が現れ、皇帝が長きにわたって仕掛けていた計画を明かす。

皇帝は以前から庆王の野心を察知していたものの、確たる証拠を掴めずにいた。そこで紀咏を庆王の軍師として送り込み、庆王自身の欲望を利用して謀反へと誘導していたのだ。紀咏は功名を求める人物を装いながら、実は朝廷を蝕む奸臣を一掃する使命を背負っていたのである。

一方、宮外では宋墨が忠臣たちを率いて叛軍と激しく交戦していた。庆王は一人も生かすなと命じ、宋翰も兵士たちを煽り続ける。しかし、窦昭が密かに用意していた援軍が加わり、戦況は徐々に変化していく。

やがて皇帝が姿を現すと、庆王は太子が襲撃されたことを理由に、自分こそ皇位を継ぐべきだと主張する。宋翰もそれに便乗し、成功すれば皆を厚く取り立てると兵たちを鼓舞する。しかし皇帝は動じない。むしろその目には涙が浮かび、かつて無実の罪を着せられた定国公の姿を思い浮かべていた。

そこへ太子と顾玉の援軍が到着し、さらに紀咏の軍勢も駆けつける。追い詰められた叛軍は次々と降伏し、庆王は自分が最も信頼していた紀咏こそが、自分を破滅へ導いた張本人だったと知る。紀咏は庆王に対し、自分が功名を求めていたことを認めながらも、本当の目的は朝廷の腐敗を正すことだったと告げる。

絶望した庆王が宋墨へ斬りかかると、窦昭が銃を放ち、宋墨を救う。皇帝は庆王を厳しく責め、玉璽を手にしたところで国を治められる器ではないと断じる。庆王は、皇位に就けば母・万皇后に政務を任せるつもりだったと語る。しかし皇帝は、すべての騒動の根底にあるのは、万皇后が蒋梅荪への恨みを晴らそうとしたことだと暴露する。

皇帝自身も長年、皇后の企みを把握していた。蒋梅荪の死後、皇帝は密かに証拠を集めながら朝廷の腐敗を一掃する機会を待っていたのである。

宋墨は庆王の処刑を願わず、禁足にして皇帝と太子の功績を毎日知らせることを罰とするよう願い出る。そして家宝である鸳鸯刀を皇帝に差し出し、定国公の名誉を回復してほしいと懇願する。さらに自分の命が長くないことを悟り、窦昭と残された時間を過ごしたいと願う。皇帝は宋墨にかつての蒋梅荪の面影を見いだし、涙ながらにその願いを受け入れる。

逃亡中の宋翰は苗安素と再会する。しかし、苗安素は弟・安平の死が宋翰によるものだと知っていた。愛する気持ちを捨てきれないまま、それでも自らの手で宋翰に最後の裁きを下す。宋翰は彼女に生きてほしいと願うが、苗安素は彼から贈られたネックレスを外し、涙を流しながらその場を去っていく。

その後、窦昭は万皇后と対面する。窦昭が最後まで愛を信じているのに対し、皇后はすでに心が完全に壊れていた。皇帝から廃后・庶民への降格、そして死罪の知らせが届くと、皇后はそれを受け入れる。

皇帝は最後に残された血霊芝を宋墨へ与え、彼が生き延びて太子を支えてくれることを願う。そして罪己詔を発し、定国公と蒋家の冤罪を正式に晴らす。

一年後。 太子が即位し、大赦が行われる。邬善と紀咏も新たな朝廷へ戻り、紀咏は首輔となる。しかし紀咏はやがて隠居を考え始める。和尚は、彼がすでに人を愛する心を知りながら、まだ一人の女性を心に残していることを見抜き、因果を悟れば煩悩も消えると諭す。

窦昭と宋墨の間には娘・怜君が生まれ、両親譲りの活発さで毎日周囲を振り回している。窦世英は出世しながらも母を大切にし、縁談には目もくれず、心の中では赵谷秋を想い続けていた。

ある日、怜君が勉強中に姿を消してしまい、陈曲水は「母親そっくりだ」と呆れ果てる。窦昭と宋墨は久しぶりに二人きりで郊外へ出かけ、宋墨は岳父の大切な酒をこっそり持ち出す。二人は酒を酌み交わし、これまでの苦難を振り返りながら、ようやく手に入れた平穏な日々を噛みしめる。

窦昭は「夫婦がいつまでも仲睦まじく、一生ともに過ごせますように」と新たな願いを口にする。宋墨はそんな窦昭を優しく抱き寄せ、二人は深い口づけを交わす。青空と水面が一つに溶け合う美しい景色の中、二人は長い試練の末に、ようやく穏やかな幸せを手にするのだった。

 

九重紫 キャスト・相関図 各話あらすじ

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